今月の新刊(2016年10月)9冊目

アメリカ 『壁を破る力:パフォーマンス・ブレークスルー 今そこにある限界がみるみる消える!驚異のメソッド』

この世はすべて舞台であり、
男も女も役者にすぎない。
それぞれが登場しては退場し、
生涯にいくつもの役を演じる。
――ウィリアム・シェイクスピア

徳間書店刊

徳間書店刊

歌手、女優、即興劇チームの一員として活動し、教育設計家、社会起業家としても幅広く活躍するキャシー・サリットが、「世界」という舞台で 新しい自分を演じる方法を伝授します。

「人は、『この状況や環境ではこうするのがふさわしい』と思っているやり方で行動する。必ずしも意識的ではないが、自分自身を型にはめる。
この限界をなんとかしようと、私たちは、成長し、変化し、進歩する道を切り開くアドバイスをしている
どうすれば、もっとイノベーションを起こせるか? 売り上げをのばすために何をすべきか? 大きな仕事を成功できるよう、どう手助けをしたらいいか?」(「プロローグ」より)

新しい自分を演じるヒントが満載の一冊です。

(S)

今月の新刊(2016年10月)8冊目

アメリカ 『Get Up! 座りっぱなしが死を招く』

いま、「座りっぱなしの生活がいかに体に悪いか」という話題が世界中で注目を集めています。

同じカロリーをとっても、太りやすい人と太りにくい人がいるのはなぜか。
肥満症の専門家であるジェイムズ・レヴィン博士は、「その鍵は座っている時間の長さにある!」と20年前から主張してきた「座りっぱなし問題」の先駆者です。

KADOKAWA刊

KADOKAWA刊

博士によると、座りっぱなしの生活は、肥満をはじめとする生活習慣病や、さまざまな疾病のリスクを大幅に上昇させるそうです。しかも、ほかの時間にいくら運動しても、座ることの悪影響は軽減されないとか。なんとおそろしい……。

この本を読むと、何分間かに一度、椅子から立って歩きまわらずにはいられなくなるはずです。

ただ、恐ろしい内容ではあるものの、ユーモアたっぷりの語り口も本書の魅力のひとつ。

じつは、博士の説が広く認められるまでには、長い年月がかかりました。同業者から非難され、学界からもつまはじきにされる、つらい日々……。それでも博士はめげずにコツコツとデータを集め(ときにはみずから実験台になって!)研究を進めてきました。いまや、この問題の権威として各メディアにからひっぱりだこです。

博士のおもしろエピソードを読んでにやりとし、周囲に何をいわれても信念を貫こうとする姿に勇気づけられながら、貴重な健康情報を学べる。1冊で3度おいしい、お得な作品です。

(N)

今月の新刊(2016年10月)7冊目

アメリカ 『「移動」の未来』

今月の新刊7冊めは、『「移動」の未来』です。
ここでいう「移動」とは、ヒトとモノ、両方の動きを指します。

いまや、朝にインターネットで注文すれば、たいていのものがその日のうちに届く時代。ほんの20年前には考えられなかったようなサービスです。でも、いったい何がどうなって、こんなことが可能になったのでしょう……?

日経BP刊

日経BP刊

それを解き明かすのが、この本です。著者いわく、本書は「交通に関する〝推理小説〟」。ただし、目的は犯人を見つけることではなく、この世界の仕組みにスポットライトをあてること。

13の章を通し、さまざまな角度から交通と物流の「いま」と「未来」を考えます。章のタイトルがそれぞれ魅力的なので、紹介してみますね。

300万マイルの通勤/朝のベル/缶のなかの幽霊/朝のコーヒー/1週間に旅客機4機/13日の金曜日/ピザ、港、そしてバレンタイン・デー/物流レディース/エンジェルズ・ゲート/バレエの動き/最後の1マイル/交通のピーク/楽園のロボット/未来の扉

内容が思い浮かぶものから、どうやって〝移動〟と結びつくのか、想像もつかないものまで……。

すべての人の生活に密接にかかわる交通と物流。
この1冊を読めば、世界の見え方が変わるかもしれません。

(N)

今月の新刊(2016年10月)6冊目

アメリカ 『世界天才紀行――ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』

前作の『世界しあわせ紀行』で幸福を追い求めて世界各地を旅をしたエリック・ワイナーが、今回は天才の地をめぐる旅に出かけます。

早川書房刊

早川書房刊

・ソクラテスもプラトンも、アテナイを歩き回って思索を深めた。
・レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロは、フィレンツェの路上で口論した。
・モーツァルトはウィーンの喧噪を愛し、ベートーヴェンはこの街で数十回の引っ越しをした。

きら星のごとき天才たちが、特定の時代の特定の場所に集団で現れるのはなぜか。
アテネ、杭州、フィレンツェ、エディンバラ、カルカッタ、ウィーン、シリコンバレーと、7都市を旅するユーモアとウィットあふれる思索旅行!

目次
はじめに――ゴルトン・ボックスをめぐる冒険
1章 アテネ――天才は単純
2章 杭州――天才は新しくない
3章 フィレンツェ――天才は高価
4章 エディンバラ――天才は実際的
5章 カルカッタ――天才は混沌
6章 ウィーン――天才は無意識のうちに
7章 ウィーン――天才は伝染しやすい
8章 シリコンバレー――天才は脆弱
エピローグ――パンとサーフィン

 
杭州やエディンバラなど、”天才の地”としてはあまり知られていない街も取り上げられています。たとえばエディンバラの天才たちのおかげで、私たちは手術のときに麻酔を打ってもらうことができるんです!

知的でニヒルな笑いにあふれ、読むと旅に出たくなる一冊です。

(K)

今月の新刊(2016年10月)5冊目

%e3%82%a4%e3%82%ae%e3%83%aa%e3%82%b9_small 『逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる』

「大きな重圧がの しかかったとき、ある人は挫折し、ある人はうまく対処し、ある人は上手に切り抜けるだけでなく力強く成長する。この力をレジリエンスと呼ぶ」

CCCメディアハウス刊

CCCメディアハウス刊

いま、「レジリエンス(逆境力、回復力)」という概念が注目されています。
レジリエンスの原動力は何なのか、レジリエンスが欠けている人がいるのはなぜなのか、はたしてレジリエンスは強化できるのか。その秘密を50項目にわけて徹底的に解き明かしているのが本書『逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる』です。

目次の一部を見てみると……

・失敗を糧に前進し、後退しない
・被害者モードから抜け出す
・過去に立ち直った経験から学ぶ
・“午前2時の声”に耳を傾けない
・もう少しだけ自分を信じる
・少しだけできるふりをする
・率直なフィードバックをもらう
・変化に正面から向き合う
・跳ね返り、元に戻る

といった項目が並んでいます。
また、各ページの下部には、何があっても対処できる力を与えてくれる名言が書かれています。

レジリエンスは、生まれ持った気質ではなく、習得し、開発し、強化することができるそうです。

仕事だけでなく、健康で幸せな生活のためにも必要なレジリエンスを、本書でぜひ手に入れてください。

(S)

今月の新刊(2016年10月)4冊目

アメリカ 『観察力を磨く 名画読解』

「この世界はたくさんの不思議をたたえ、
私たちの気づきを、辛抱強く待っている」

早川書房刊

早川書房刊

今月の新刊4冊めは、早川書房刊行のノンフィクション『観察力を磨く 名画読解』です。

目という脅威の“コンピュータ”を使って、情報収集能力、思考力、判断力、伝達力、質問力をいかに向上させるか。弁護士にして美術史でもある著者のエイミー・ハーマンが、アートを分析する力を仕事に生かす方法を伝授します。

バイアスにとらわれない洞察力、重要な情報を引き出す質問力、確実に理解してもらえる伝達力、失敗しない判断力など、どれも身につけておいて損はない能力です。

FBIやCIA、ニューヨーク市警、ロンドン警視庁、アメリカ陸海軍、大手企業などで開催されているセミナーを、あなたも紙上で体験してみませんか。

(S)

今月の新刊(2016年10月)3冊目

france 『うごかす! めくる! こうじげんば』

今月の新刊3冊めは、しかけ絵本 『うごかす! めくる! こうじげんば』 です。

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パイインターナショナル刊

ビル、道路、飛行機から、ジェットコースターにサーカスまで!
どんな役割の人たちが、どんなふうにつくっているのか….
フランスのイラストレーターのかわいい絵で見ることができます。

すべてひらがなで書かれているので、
小さなお子さんも、自分で読みながら楽しめます。
ちょっぴり専門的な言葉も出てきて、
おとなが読んでも「この機械って、こんな名前なのか~」と新たな発見があるかもしれません。

意外なところが開いたり動いたりするので、ページをくまなくさわってみてくださいね。
全ページの「しかけ」を紹介するムービーをこちらのページでご覧になれます。

お誕生日やクリスマスのプレゼントにもおすすめです。

(N)

今月の新刊(2016年10月)2冊目

%e3%82%a4%e3%82%ae%e3%83%aa%e3%82%b9_small 『氷の双子 THE ICE TWINS』

今月の二冊目は、スコットランドを舞台にした『氷の双子』です。

六歳の双子の娘のひとり、リディアを事故で失った夫婦。
一年後、二人は家族の再起を賭けてロンドンからスコットランドの孤島へと移住する。
ところがある日、遺された娘カースティは母にこう言った。「マミー、死んだのはカースティだよ。あたしはリディア」

小学館刊

小学館刊

子どもが生まれたことでセックスレスになる夫婦、二人の子供と平等に接することができない母親、親でも間違えるほどそっくりな双子……。
どこの家庭でも​ありうる​、夫婦、親子、姉妹間のそういった​関係​が、スコットランドの小さな島に吹き荒れる嵐とともにとんでもない方向に発展していきます。

はたして、死んだのはリディアなのかカースティなのか?
孤島の美しくも厳しい自然の中で夫婦がじわじわと追い詰められていく過程はスリル満点。

刊行とともにイギリスでベストセラー1位を獲得した、今年一番背筋が凍るノンストップサイコスリラーです!

(Y)

タラディクトの集い@パリ

france バルセロナ​までは日本からの直行便はありません。となれば、パリ経由で行こう!
というわけで、パリにも立ち寄りました。

偶然にも、少し前にタラ・ダンカンの著者ソフィーから新シリーズ出版記念サイン会のお知らせが届き、その日はちょうど私もパリ滞在中。
シャンゼリゼ近くの会場(パリのチェーン書店Fnac)を覗きにいくと、いましたいました! 著者“プリンセス・ソフィー”を取り囲むように、コスプレしたフランスのタラディクト(タラ・ファン)たちが……。

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本場のタラディクトたちに日本について質問されました

ソフィーはさっそく、
「日本のタラシリーズの翻訳者よ」と紹介してくれました。
タラディクトたちは日本版のこともよく知っていて、表紙や裏表紙の話などでもちきりに。

そして会場を出て1時間後……凱旋門近くを散歩していると、フランス人の若い男の子二人に声をかけられました。

「スミマセン(ここだけ日本語)、写真撮ってくれませんか?」
「ん? シャッターを押せばいいのかしら……?」
「ノンノン、あなたと写真を撮りたいのです。タラ・ジャポネの翻訳者さんですよね!」
「え? あ、はい……私でよければ……もちろん……」

二人は先ほどのイベントにもいたそうで、たまたま私が歩いているのを見つけて追いかけてきたらしい。日本にも行ったことがあり、日本語版も全巻もっているとか……。
いやあ、フランスでのタラ人気、そして日本語版人気に驚きました。

別の日にはソフィーが脚本・監督した短編映画の試写会にも招かれました。

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ソフィーはいつでもゴージャスでエネルギッシュ

初監督作品について壇上で語るソフィー

初監督作品について壇上で語るソフィー

パリはバルセロナと違ってとっても寒かったですが、滞在中はびっくりするほどいいお天気。
どこに行っても絵になるパリが、10月の碧い空にいっそう美しく映えていました。

10月のパリの空 その1

10月のパリの空 その1

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10月のパリの空 その2

10月のパリの空 その3

10月のパリの空 その3

(Y)

今月の新刊(2016年10月)1冊目

アメリカ 『熱狂の王 ドナルド・トランプ』

10月の新刊紹介のトップバッターは、来月8日に迫ったアメリカ大統領選挙がらみの一冊です。

ドナルド・トランプ本人や関係者への徹底的なインタビューと独自取材を元に、ピュリッツァー賞授賞ジャーナリストのマイケル・ダントニオが3年をかけて書 き上げ、『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』『フィナンシャル・タイムズ』など欧米メディアで絶賛された本格ノンフィクション『熱狂の王 ドナルド・トランプ』

クロスメディア・パブリッシング刊

クロスメディア・パブリッシング刊

人種・労働問題や政策、外交から、メディア、ビジネス、セレブのゴシップまで、歯に衣を着せない発言で知られるドナルド・トランプは、いかにして大統領候補にまで上り詰めたのか。

アメリカの抱えるあらゆるグレーな部分を巧みに利用しながら、良くも悪くも注目を集め続けてきたトランプを知ることは、現代のアメリカが抱える矛盾や不安、問題点を知ることでもあります。

『アフター・アメリカ』『アメリカン・デモクラシーの逆説』の著者としても知られる、慶応義塾大学SFC教授の渡辺靖氏の解説付きという、旬の一冊をぜひお手にとってみてください。

(S)