ここ数年、世の中は「モノを減らそう」ブーム。
世界的に大ヒットした片付け本もあれば、いつのまにか「断捨離」とか「ミニマリズム」といった言葉が市民権を得ています。
昔に比べて現代はモノが多すぎるんじゃないの? なんでも複雑にしすぎるんじゃなの? シンプルなほうが幸せなのに……と考えるのは、なにも21世紀になってからのことではないようです。
『簡素な生き方』(原題 La vie simple =シンプルライフ )の原書が刊行されたのは、なんと120年前。日本では明治時代です。
フランスの元牧師さんによって書かれ、ときのアメリカ大統領ルーズベルトに絶賛されて、あっという間に欧米でミリオンセラーになったそうです。
100年以上前のこの元祖シンプルライフ本は、いま読んでも共感できることばかり。
日本でも既訳がありますが、今回の新訳版はぐっと現代的で読みやすくなっています。
表紙も帯も見返しもすべてモスグリーン。装幀もそれはそれは「簡素」ですてきです。
(S)