今月の新刊4冊目(2017年2月)

denmark 『凍てつく街角』

デンマーク発の警察小説の新シリーズ第1作。

コペンハーゲンの中央署の刑事ラウンは、ある事件がきっかけで休職を言い渡され、酒場で酔いつぶれる毎日。ある日、友人から、行方不明になっているリトアニアの若い女性を探してほしいと依頼される。その女性の失踪には、国際的な犯罪組織が絡んでいた……

著者は、もともとショートフィルムやテレビ番組のプロデューサーで、デンマークではテレビドラマの脚本家としても有名とか。
多彩な登場人物を配し、加害者と被害者、追うほうと追われるほうのドラマが同時進行していく巧みな場面転換は、たしかに映画をみているようで、400ページ弱のボリュームもあっという間です。

早川書房刊

早川書房刊

デンマークの警察小説といえば、日本でも「特捜部Q」シリーズが人気。
“過去のトラウマ”を抱えた警察官とひと癖もふた癖もある友人たちが難事件に挑んでいくという点ではこちらも同じですが、移民・人身売買・麻薬……といった、北欧のさらにディープな裏社会をドラマチックに描いています。

北欧ミステリーにまた魅力的なシリーズが誕生しました。

(Y)