全8回の書籍翻訳セミナー(フィクション編)も前回で第4回目を終えました。
前半は山本知子がリーディングのコツについてお話しし、
後半はイングリッシュ・エージェンシーの服部航平さんが翻訳版権エージェントからみた翻訳出版について語ってくださいました。
後半はとくに、エージェントさんから直接お話をうかがうという貴重な機会となりました。
明日は第5回。
フリーランス編集者の小都一郎さんが「編集者と翻訳者」と題してお話ししてくださいます。
小都さんは、早川書房でおもにノンフィクション書籍の編集を100冊以上手がけられ、その後、フリーランス編集者として独立。2011年からは光文社翻訳編集部で古典新訳文庫の編集も担当されています。
ノンフィクションからフィクションまでお仕事の幅が広く、これまで数多くの出版社とかかわられてきた小都さん。音楽好きで、子煩悩な小都さん。独特の風貌で、一度お会いしたら忘れられない小都さん……。
そんな小都さんとお話しをしていると、本づくりにかける情熱が並々ならぬことがわかります。
たとえば光文社古典新訳文庫のウェブサイトを訪れてみると、その一端に触れることができます。
「担当編集者が激推しする『すばらしい新世界』のすばらしい世界」
http://www.kotensinyaku.jp/archives/2013/06/006245.html
小都さんが『すばらしい新世界』の編集にかかわられたことを知ったのは、この本の読みどころを書き込んだ「コメンタリー版」を制作して販促用に書店においてもらったと、小都さんご自身がインターネット上で発言されていたことがきっかけでした。
どうしてもそれを見たくなり、書店に出向いて手に取ってみると、それがなんとも「すばらしい」のです。現物をお目にかけられないのが残念ですが、それはもう、編集者の情熱がつまったひとつの作品でした! 一冊の本にここまで力を注ぐ編集者さんがいるのかと、一介の翻訳者として驚いた記憶が今でも鮮明に残っています。
日本翻訳連盟の『日本翻訳ジャーナル』でも、小都さんが書かれた記事を拝読できます。
「翻訳書の編集は『生業』であり『使命』」
http://journal.jtf.jp/column18/id=167
弊社では、『ライス回顧録 ホワイトハウス 激動の2920日』『世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方』『Global Agenda Turning Points 2015』でお仕事をご一緒させていただいています。
明日のセミナーでは、本づくりにかける小都さんの熱い語りを直接聞くことができると思うと、今から楽しみでなりません。どうぞご期待ください!
(S)