いま、「座りっぱなしの生活がいかに体に悪いか」という話題が世界中で注目を集めています。
同じカロリーをとっても、太りやすい人と太りにくい人がいるのはなぜか。
肥満症の専門家であるジェイムズ・レヴィン博士は、「その鍵は座っている時間の長さにある!」と20年前から主張してきた「座りっぱなし問題」の先駆者です。
博士によると、座りっぱなしの生活は、肥満をはじめとする生活習慣病や、さまざまな疾病のリスクを大幅に上昇させるそうです。しかも、ほかの時間にいくら運動しても、座ることの悪影響は軽減されないとか。なんとおそろしい……。
この本を読むと、何分間かに一度、椅子から立って歩きまわらずにはいられなくなるはずです。
ただ、恐ろしい内容ではあるものの、ユーモアたっぷりの語り口も本書の魅力のひとつ。
じつは、博士の説が広く認められるまでには、長い年月がかかりました。同業者から非難され、学界からもつまはじきにされる、つらい日々……。それでも博士はめげずにコツコツとデータを集め(ときにはみずから実験台になって!)研究を進めてきました。いまや、この問題の権威として各メディアにからひっぱりだこです。
博士のおもしろエピソードを読んでにやりとし、周囲に何をいわれても信念を貫こうとする姿に勇気づけられながら、貴重な健康情報を学べる。1冊で3度おいしい、お得な作品です。
(N)