コロナ終息に向けて:各国レポート第三弾(11)ドイツ

germany

ドイツ(人口約8302万人)

長谷川圭

①新型コロナウイルス感染状況について、いまはどうなっていますか?

2021年5月に入ってからようやく新規感染者数も下向きに転じ、5月後半からロックダウンにともなう規制も解除されつつあります。

②ワクチン接種については、どのように進められ、現在(執筆時点)、どのような状況ですか?

ドイツはほかのヨーロッパ諸国に比べ、ワクチン摂取に大きく出遅れていたのですが、最近になってようやくワクチン不足も解消されつつあり、6月からはワクチン接種の優先順位が全国で撤廃され、誰もが接種できるようになる予定です。

③現在(執筆時点)、国や自治体からの規制や制限、援助がありますか?

去年の11月ごろから半ロックダウンが敷かれていて、食料品など日常生活に必須な物品を売る商店以外は――レストラン、映画館、博物館なども含めて――すべて閉鎖されていたのですが、感染率の低下にともない、最近ではPCR検査を通じて感染していないこと証明した者(検査から24時間以内)、あるいは2度目のワクチン接種を済ませた者は一部店舗で買い物ができるようになりました。

⑤近況について、ご自由にお書きください。

日本よ、早く日本国内の感染拡大を封じ込めてくれ、という思いです。私は翻訳業のかたわら大学などで日本語も教えているのですが、交換留学などで日本行きが決まっていたのにコロナの影響で行けなくなった学生を、去年の春から何人慰めてきたことか……。彼らからしてみれば、ドイツよりも感染者数も、感染率も、死者数もはるかに少ない日本が外国人を受け入れていないことが、頭では理解できても、心情的に納得できないのでしょう。一生に1回、日本の大学や高校で半年か1年を過ごすチャンスが巡ってきたのに、それがだめになったのですから。

今年の夏から日本に留学することが決まっているのに、本当に行けるかどうかまだわからない学生もいます。そんな彼らのためにも、もちろん日本で生活する私の家族そして日本全国のみなさんのためにも、日本が事態をコントロールできる日が早く来るのを望んでいます。


長谷川圭(はせがわ・けい):ドイツ語・英語翻訳家、日本語教師。ドイツ・チューリンゲン州イエナ在住。