ふだんはとても穏やかな人が、突然キレて暴力を振るう。
ときには、その怒りがエスカレートして殺人事件に発展することも……。
私たちの日常生活でも、子供や親やパートナーに対してかっとなり感情が抑えられなくなってしまったなんてことが、たまにはあるのでは?
相手に罵詈雑言を浴びせかけ、しばらくたって冷静になってみると「なんであんなに怒ったのだろう?」と反省する……。
神経学者の著者は、ある日、旅行先のバルセロナでスリにあい、反射的に相手をつかまえて、投げ技で倒します。でも、その後、仕返ししようとするスリ集団に街中を追い回される羽目に。
喧嘩好きでもなければ格闘技の経験もない自分が、なぜあのときあんな行動に出たのか?
その事件をきっかけに、著者は、人間を無意識のうちに「激情」に追い立てる脳の回路を解明しようとありとあらゆる研究をしたといいます。
脳には暴力的な行為を引き起こすプログラムが組み込まれていて、「9つのトリガー(きっかけ)」でそのプログラムが作動するのだそうです。
逆に言えば、その「きっかけ」さえ理解していれば、とんでもない事態は避けられるのです。
猛暑でいらいらしがちな今日この頃。
瞬間的な怒りで人間関係をだいなしにしないためにも、ぜひ読んでみてください!
(Y)