コロナ終息に向けて:各国レポート第二弾(16)アメリカ・ハワイ

united states of america

アメリカ・ハワイ(人口約140万人)

ダニエル・シーモア

①新型コロナウイルス感染について、いまはどうなっていますか?

ハワイでは、4月から6月にかけて感染者「0」の週が何回かあり、多少の増減があったものの、平均的には一桁台で推移していました。しかし、7月の半ばを境に感染者数が2桁台、そして7月末には突発的に感染者が増え、3桁台に突入。7月末から3桁台で推移しています。急増の理由はいろいろありますが、イゲ知事政権の体制の甘さが露呈されており、9月1日、ハワイ保健省の上層部が総辞職をする事態となりました。

②国や自治体からの規制や制限はありますか?

8月27日から9月9日までの2週間「自宅待機・在宅勤務」が再び発令され、8月26日に緊急事態命令第25号(2020年)が公表されました。

オアフ島に居住・滞在するすべての人は、必要不可欠な活動(Essential Activities)や必要不可欠な事業(Essential Business)に従事する場合を除き、自宅に待機し、在宅勤務を行うことが求められます。また、どうしても外出する場合には、6フィート(約183cm)の社会的距離を確保し、マスクを着用しなければなりません。この命令は居住者だけでなく、訪問者にも適用され、違反者は5,000ドル以下の罰金又は1年以下の禁固刑、もしくはその両方が科せられます。

公園やビーチは閉鎖されているほか(ただし海水浴などのために横切ることは認められます)、歌や楽器の演奏についても基本的には禁止(たがいに10フィートの距離をとる、アクリル板を立てるなど感染防止策を講ずる場合には認められる)となっています。

③外国への出国、外国からの入国についての制限はありますか?

ハワイ諸島間のフライトは、必要不可欠なフライト以外はすべてキャンセルされています。ハワイ州以外からの渡航客は14日間の隔離を要請されており、違反者はやはり5,000ドル以下の罰金又は1年以下の禁固刑、もしくはその両方が科せられます。

④日常生活や街の様子など、とくに前回のレポート時から変わったことがあれば教えてください。

医療従事者はPCR検査が必須となっています。私も精神科の閉鎖病棟で働く医療従事者なので、すでに3回PCR検査を受け、3回とも陰性でした。入院患者も全員陰性なので多少は安心して働くことができますが、つい最近退院した患者が陽性となり、濃厚接触があった私は3回目の検査を受けることになりました。また、週に一回「ウォークイン(予約なし)」の外来精神科を担当しているのですが、「ウォークイン」の性質上、患者の大半がホームレスの方なので、毎回ハラハラドキドキしながら診察しています。

学校はすべてオンラインで、子どもたちにはChrome Book(タブレット)が支給されています。親たちもいろいろと不便を感じることもありますが、一番不憫に思うのは子どもたちです。うちの子に限らず、学校で友達と遊ぶこともできずに家の中で悶々としているのはかわいそうだなと思います。

⑤近況について、ご自由にお書きください。

5月に保護した猫ちゃん(ハナ)が順調に成長しています! また、長女と動物シェルターでボランティア活動も始めました。11月には米国大統領選挙が控えていますが、それについては言及しないほうがいいでしょう。

5月に保護した猫ちゃん(ハナ)

5月に保護した猫ちゃん(ハナ)


シーモア・ダニエル:臨床カウンセラー。2019年よりハワイ在住。