コロナ終息に向けて:各国レポート第四弾(25)ルワンダ

ルワンダ(人口約1230万人)

吉田香奈子

①現在(執筆時)の新型コロナウイルスの感染状況について教えてください。

去年2021年末はオミクロン変異株の感染拡大により、一時的に感染者数が増えたこともありましたが、ルワンダ政府の厳格なコントロールが功を奏し、今年、2022年の初めから急激に感染者数が減り、今では、1日あたりの新規感染者数は5人くらいで推移しています。市井の人々からは、「コロナは終わった」という声が聞こえてくるほどです。

②現在の生活のなかで、コロナウイルス関連で規制や制限されていること、義務付けられていること、支援されていることなどはありますか?

移動に関しては、時間や地域の規制もなく、皆、自由に行き来をしています。店舗も通常営業に戻っているほか、学校も再開しています。一方で、ルワンダ政府の通達により、公共の場所では、ワクチンを2回接種したという証明書(ワクチン証明書)の提示が求められます。また、公共の場所でのマスク着用も義務とされています。

③ワクチン接種については、どのような現状ですか?

2回目のワクチンを接種した国民は全人口の約7割に当たる830万人、3回目のブースター接種を終了した人は全人口の約3割の370万人います。現在では、ワクチン接種が開始された当初のようなワクチンへの不信感は薄らいでおり、みんな積極的に3回目接種を受けているように見受けられます。ルワンダ政府は、毎日COVID検査の実施数、感染者数、死者数、ワクチン接種者数を発表し続けているほか、2週間に1回、コロナ対策を状況にあわせて柔軟に変更、実施してきました。この結果、目に見える形で予防ができているとわかることから、国民もワクチンを信頼しているのではないかと思います。

④近況や思い、今後の見通しなど、ご自由にお書きください。

2022年4月現在、街ゆく人々はリラックスしており、コロナは収束した、という認識が広く共有されています。公共の場所でマスク着用が義務づけられている一方で、銀行、携帯キャリア会社など、ルワンダで高学歴、高給与の人々が集まる職場ではマスクを外して仕事をしています。レストラン、バーも通常通り営業しており、現地人も外国人も、人生を楽しもうとしています。過去のコロナ感染予防政策の経験から、たとえ再び感染者数が増えても、2週間から1か月間、政府による移動規制がかかれば、それで収束できると信じているのでしょう。また、これ以上、コロナによって人生に制約を課されたくない、という思いも見えます。

日本人はコロナ予防に慎重を重ねている印象がありますが、現在、日本の年齢中央値は48歳であるのに対し、ルワンダのそれは20歳であり、親子ほども違うことから、行動様式も異なってくるのでしょう。ルワンダは今後も、政府への信頼と人口の若い力が後押となって、コロナ収束という楽観的な見通しを信じ、脱コロナ復興を進めていくでしょう。


吉田香奈子(よしだ・かなこ):主婦。夫は国際NPOに勤務している