「ブルンジ」という国を知っていますか?
アフリカ大陸の中央部にあり、ルワンダと国境を接しています。
この二つの国は、歴史的な歩み、フツ族とツチ族という民族構成、1990年代に民族紛争から大虐殺や内戦が起きたなど、似ているところも多く、よく「双子」と形容されるそうです。
主人公は、父はフランス人、母はルワンダ難民という、ブルンジの首都に住む少年。
少年は12歳まではアフリカの色彩あふれる大地で幸せに暮らしていましたが、その後、一家は民族対立の激化に巻き込まれていきます……。
フランスで「高校生が選ぶゴンクール賞」を受賞したこの小説の魅力は、ルワンダやブルンジの民族紛争の悲劇を描きながらも、成長していく少年の喪失感や追憶が「詩情豊かに」綴られているところです。
著者は、主人公と同じ出自をもち、現在はフランスでラッパーとして活躍しているとか。「Milk Coffee and Sugar」 (白と黒をイメージさせるネーミングですよね)という音楽グループも結成しています。ミュージシャンとしての最新のソロアルバムのタイトルは『Pili Pili sur un croissant au beurre ピリピリ(唐辛子)ののったバタークロワッサン』。
思わず、Youtubeで探してみたくなりました。
(Y)