コロナ終息に向けて:各国レポート第三弾(26)ルワンダ

rwanda

ルワンダ(人口約1230万人)

吉田香奈子

①新型コロナウイルス感染状況について、いまはどうなっていますか?

6月19日現在、新型コロナウイルス感染者数は累計30,517人、累計死者数が379人という低い水準で短期的な増減のサイクルを繰り返しています。医療現場も落ち着いており、大きな混乱はみられません。

今のところ、変異株の拡大についても公には発表されていません。感染の中心地は昨年末から今年初めまでは首都キガリだったのですが、今年の5月末には、南部のブルンジとの国境地帯や西部のコンゴ民主共和国との国境地帯に移ってきていました。

しかし、感染の沈静化に伴って移動規制や集会の規制が緩和されるにつれ、6月に入ってから再び首都キガリでの感染が拡大しつつあります。

②ワクチン接種については、どのように進められ、現在(執筆時点)、どのような状況ですか?

海外からワクチンの提供を受け、6月20日現在、約40万人が接種しました。まずは、高齢者、医療関係者、政府関係者など、特に緊急に接種が必要な約30万人が接種し、このグループが2回接種を受けた後に、他の優先順位が高い人々も接種対象となっています。

接種対象者は政府が指定しています。ワクチンに対する拒否的な世論は少なく、概ね平静な環境でワクチン接種が進んでいます。

③現在(執筆時点)、国や自治体からの規制や制限、援助がありますか?

2020年3月から2週間おきにルワンダ内閣府から国民に対して、感染予防措置に関する通達が出されつづけています。深夜の移動禁止、公共の交通機関(ミニバス)の座席占有率、一般の企業や会社における従業員出席率、集会の規模、飲食店の営業についての規制で、感染状況によって随時制限内容が変わります。

マスクは公共の場では着用することが義務付けられています。また、入国・出国については、入国前のPCR検査の陰性証明書を提示することと、ルワンダ到着後にもPCR検査を受け、24時間以内に検査結果が出るまでは指定のホテルに滞在することが義務付けられています。

④変異株の広がり、もしくはワクチン接種普及の前後で、日常生活や街の様子など変わったことがあれば教えてください。

昨年の6月頃から実質的に飲食店の営業が解禁され、公共の交通機関も営業を再開し、学校も再開しているため、市民の生活は以前のような活気を取り戻しつつあります。

ルワンダ人はもとより、外国人の同僚や、国際機関で働いている知人も事務所に出勤しており、かつてのように仕事の合間やランチの時におしゃべりに興じて大笑いすることはありませんが、仕事で、フェース・ツー・フェースで会話できる有り難さをかみしめているようです。

⑤近況について、ご自由にお書きください。

コロナ以前、ルワンダ人の同僚には、職場で長時間働くことを尊ぶ傾向が見受けられましたが、今では在宅勤務にも慣れてきつつあるようにみえます。

日本人のように相手の顔色を伺いながらコミュニケーションを取ることに慣れていたルワンダ人ですが、コロナ禍が短い期間で沈静化するとは思いませんので、長い目でみると、コロナはルワンダ人のコミュニケーションのあり方まで変えていくかもしれないと思っています。


吉田香奈子(よしだ・かなこ):主婦。夫は国際NPOに勤務している。