コロナ終息に向けて:各国レポート最終回(20)チェコ共和国

 

チェコ共和国(人口約1051万人)

岡戸久美子

チェコ保険省は2023年4月20日より新型コロナ感染者の一律隔離義務を撤廃し、医師または衛生局が感染者の状態を個別に判断して隔離を指示することとしました。インフルエンザ等の感染症と同様の措置が適用されるようになったということです。

上記は、実は今回このレポートを書くにあたり調べていて見つけた情報で、正直こんな最近まで隔離義務が残っていたことを知りませんでした。情報に疎い、と言われればお恥ずかしい限りですが、「私の周囲ではコロナ規制は完全に終了ムード」と書いた前回のレポート以降も特に規制の再強化等はなく、人々の口から「コロナ」という言葉を聞くこともほぼなくなっていたため、日々の生活であえて意識することなく過ごしていたように思います。

前回のレポートと言えば、規制緩和まえの冬にはオミクロン株でクリスマスマーケットが急遽中止になったとも書いていたのですが、昨年末には無事に開催されました。写真は私の住む街の広場です。プラハなどの観光都市に比べれば断然地味ですが、多くの住民が集まって数年ぶりに規制のないクリスマスをお祝いしていました。

クリスマスツリー点灯式で賑わった街の広場

このように1年以上コロナを意識せずにいられるチェコではすでに、マスクをする人の姿もほぼ見かけません。マスク着用が義務付けられていた間はきちんとマスクをしていたチェコの人々も、規制解除と同時に外しました。その光景にすっかり慣れてしまったので、少し前にテレビでたまたま日本のお花見シーズンのニュースが流れたときには、いまもマスク姿の人が多いことに私自身も改めて驚き、家人(チェコ人)には「え、これいつの映像? 2年前? まさかいまじゃないよね??」と言われました。

コロナによって広まったリモートワークとオンラインミーティングはいまでもかなり活用されています。もちろん対面を好む人々もいますが、状況に合わせてリモートという選択肢が増えたのはポジティブな変化として受け入れられたようです。また、小さなことですが生活面で個人的によかったなと思うのは、カード払いできるお店が増えたことです。コロナ禍では、現金受け渡しによる接触を防ぐためにカード払いが推奨されていたため、カードをかざすだけで支払いができる端末を多くのお店が導入しました。以前は現金のみだったファーマーズマーケットやバス等でも小銭を気にすることなくカード払いできるようになったのはありがたいです。

振り返ってみると、すべてが適切とは言えないまでも政府が必要に応じて対策を立て、人々もそれに従う。不要となったら廃止する、でもいいものは残す。この切り替えがはっきりした国だったなと思います。現在はインフレによる物価高騰に頭を悩ませられていますが、「先の心配ばかりしていないでいまを楽しもう、人生また何が起こるかわからないんだから」と言われ、はっとしました。いつでも行けるから、とか、お金が貯まったらと思って旅行を我慢しているうちにまた規制されるかもしれないし、一生懸命貯めたお金も数年後にはインフレで価値が下がっていることも大いにありえます。チェコ人を見習って、もっと身軽に生きようと感じる今日この頃です。

こちらは、先日訪れた、城跡を舞台にした野外ミュージカルの写真です。お天気もよく、たくさんの人が観劇を楽しんでいました。ちなみにチェコは人口密度ならぬ城密度が世界で2番目に高い国なのだとか。


岡戸久美子(おかど・くみこ):英日翻訳者。チェコ共和国北西部在住