昨今、女性が活躍している業種は増えていますが、翻訳の世界もそのひとつ。
弊社の登録翻訳者もセミナー受講者も、女性の割合が圧倒的に高いです。
「翻訳」という職種だけでなく「出版」の世界で見ても、女性の率はかなり高いのではないでしょうか。
実際に、弊社が日ごろお世話になっている翻訳本の編集者さんの半分は女性です。
偏見を恐れずに言えば、男性編集者さんは一人一人がいい意味でこだわりをもち、好きな分野で面白い本をつくろうとするのに対して、女性編集者さんは全体を俯瞰し、バランスよく戦略的に考えて本をつくろうとする……。
あくまで個人的印象ですが、そんな気がします。
ひと昔前まで、大手出版社のなかでも女性が多い部門といえば、女性向け雑誌や児童書……と相場が決まっていました。ですが、いまの時代、まったくそんなことはありません。
文芸だろうが、ノンフィクションだろうが、どのジャンルでも女性編集者さんが生き生きと仕事をしていらっしゃいます。
そして、弊社で飲み会をすると、最後まで飲んでしゃべって翌朝弊社から出勤される……という方も、なぜか女性が多いです(笑)
そんななか、「ビジネス本」を中心とするノンフィクション翻訳本を次々と世に送り出している、まさしく「敏腕女性編集者」さんおふたりにご登壇いただきます。
おひとりは、日経BP社の中川ヒロミさん。
ビジネス本に強い日経BP社さんにあって、シリコンバレー関連本や、ジェフ・ベゾスやスティーブ・ジョブズにまつわる書籍といった、まさしくビジネス本の中核をたくさん手がけていらっしゃいます。
弊社ではここ2年ぐらいのおつきあいですが、一見やわらかでかわいらしい雰囲気の中川さん、仕事となるとそれはそれは鋭いキレモノ編集者さんです。メールの返信も速く、原稿のご指摘もいつも的確。さらにプロモーションや著者・訳者を巻き込んだイベントを考えられたりと、中川さんの手にかかれば、どんな本も話題作になる……といっても過言ではないでしょう。
もうおひとりは、CCCメディアハウスの土居悦子さん。
弊社とは、CCCさんが「阪急コミュニケーションズ」という名前だったころからとてもお世話になっています。
土居さんは、ビジネス本だけでなく、自己啓発本、実用書、また和書と守備範囲が広く、社会の動向にアンテナを張りながら、時代を半歩リードするような面白い企画の本をたくさんつくられていまます。
翻訳本とはいえ、日本人読者に受けるようにと内容をうまくローカライズされるのも、土居さん本の特徴でしょうか。そして土居さんがつける書籍のタイトルはいつも秀逸。「へえ、そう来たか。書店でみんなが手にとりたくなるだろうなあ」と感心させられます。
そんな、エネルギッシュでキレモノのおふたりから、翻訳本編集のご苦労、そして翻訳そのものについても鋭いご指摘をたくさんきけるのではないかと期待しています!
(Y)