今月の新刊6冊目(2017年8月)

united states of america 『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々――世界に吹き荒れるポピュリズムを支える”真・中間層”の実体』

2016年11月のアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプ大統領誕生の原動力となったのは「ホワイト・ワーキング・クラス(白人労働者層)」だと言われています。

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ホワイト・ワーキング・クラスとは、いったいどんな人々なのか、
ホワイト・ワーキング・クラスはなぜ、貧困層に反感を抱くのか、
ホワイト・ワーキング・クラスはなぜ、大学に行こうとしないのか、
……
等々、ホワイト・ワーキング・クラスにまつわる「なぜ」に答え、アメリカで大きく話題になったのが、本書『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々』です。

日本ではまだあまり知られていない、アメリカのホワイト・ワーキング・クラスの実態を理解するための格好の一冊を、ぜひご覧になってみてください。

(M)

今月の新刊5冊目(2017年8月)

united states of america 『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』

日本でもベストセラーになった『話を聞かない男、地図が読めない女』で知られるアランピーズ&バーバラ・ピーズの待望の新刊です。

サンマーク出版刊

サンマーク出版刊

ビジネスにおける人間関係の第一人者、ピーズ夫妻が人生最大の危機におちいったとき、二人が頼ったのは脳科学でした。

どうすればこの苦境を乗りこえて、成功への道を切りひらくことができるのか……。試行錯誤のすえに二人が見つけたのが、脳をプログラミングする方法です。

RAS(網様体賦活系)に語りかけ、その力を信じて自分で脳をプログラミングすれば、人生は、驚くほど思いどおりになるといいます。

「自動的に夢がかなっていくブレイン・プログラミング」を、みなさんもさっそく試してみませんか。

(M)

今月の新刊4冊目(2017年8月)

germany 『ローダンNEO 2 テラニア』

先月スタートした〈ローダンNEO〉シリーズの第2巻が刊行されました。

早川書房刊

早川書房刊

本シリーズはドイツ本国ではすでに150話に達していますが、日本では第1シーズンにあたる全8巻が来年2月まで月1冊のペースで刊行される予定です。

月で出会ったアルコン人のクレストの病気を治療すべく地球に帰還したペリー・ローダン。しかし、どういうわけか祖国アメリカには戻らず、《スターダスト》はゴビ砂漠に着陸します。アルコン人の高度な技術を用いたシールドに守られてはいるものの、中国軍に包囲され攻撃を受けて外に出ることもできず、クレストの病状は悪化するばかり。緊張と不安が高まる中、ローダンが全世界に向けて行った宣言とは……

第1巻と同様、ローダンのストーリーと平行してもう一つのストーリーが語られます。パラレルに進んでいく物語がどうつながっていくのか、まだ全貌は見えていませんが、パズルが少しずつ組み合わされるように物語が動いていきます。そして次巻で大きく展開する、そんな予感を抱かせるところで第2巻は幕を閉じます。

正篇の〈宇宙英雄ローダン〉を読んでいなくても楽しめる、スペースオペラの王道をいくシリーズです。

(I)

今月の新刊3冊目(2017年8月)

united states of america 『激情回路――人はなぜ「キレる」のか』

ふだんはとても穏やかな人が、突然​キレて暴力を振るう。
ときには、その怒りがエスカレートして殺人事件に発展することも……。

春秋社刊

春秋社刊

私たちの日常生活でも、子供や親やパートナーに対してかっとなり感情が抑えられなくなってしまったなんてことが、たまにはあるのでは?
相手に罵詈雑言を浴びせかけ、しばらくたって冷静になってみると「なんであんなに怒ったのだろう?」と反省する……。

神経学者の著者は、ある日、旅行先のバルセロナでスリにあい、反射的に相手をつかまえて、投げ技で倒します。でも、その後、仕返ししようとするスリ集団に街中を追い回される羽目に。
喧嘩好きでもなければ格闘技の経験もない自分が、なぜあのときあんな行動に出たのか?
その事件をきっかけに、著者は、人間を無意識のうちに「激情」に追い立てる脳の回路を解明しようとありとあらゆる研究をし​たといいます。

脳には暴力的な行為を引き起こすプログラムが組み込まれていて、「9つのトリガー(きっかけ)」でそのプログラムが作動するのだそうです。
逆に言えば、その「きっかけ​」​さえ理解していれば、とんでもない事態は避けられるのです。

猛暑でいらいらしがちな今日この頃。
瞬間的な怒りで人間関係をだいなしにしないためにも、ぜひ読んでみてください!

(Y)

今月の新刊2冊目(2017年8月)

sweden 『呼び出された男 スウェーデン・ミステリ傑作集』

20人のスウェーデン人作家による短篇17作品を集めたアンソロジーです。

早川書房刊

早川書房刊

『ミレニアム』シリーズの世界的ヒット以降、注目を集め続けているスウェーデン・ミステリ。本書には、スティーグ・ラーソン、ヨハン・テオリン、ヘニング・マンケル、マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーなど日本でもおなじみの作家に加え、これからのスウェーデン・ミステリ界を背負って立つと言われる若手作家の作品も多数収録されています。

表題作『呼び出された男』は、『ミレニアム』シリーズを生み出したスティーグ・ラーソンによる短篇です。ラーソンが10代の頃、親友といっしょにガリ版で50部ほど刷った同人誌に載せた作品とのこと。もちろん、本邦初公開!

20人の作家の視点を通して見ることで、スウェーデンという国がより奥行きをもって見えてくるのも、このアンソロジーの魅力かもしれません。

(N)

今月の新刊1冊目(2017年8月)

france 『フェリシーと夢のトウシューズ』

お盆休み、テレビで映画『フェリシーと夢のトウシューズ』のCMを観た方もたくさんいると思います。これはそのノベライズです。

キノブックス刊

キノブックス刊

フランスのブルターニュ地方の孤児院で暮らす11歳のフェリシーは、ダンサーになってパリのオペラ座の舞台に立つという夢をもっていました。

ある日、発明家をめざす幼なじみのギュスターと孤児院を脱走したフェリシーは、ついに憧れのパリにやってきます……。

舞台は、19世紀末のパリ。
エッフェル塔を建設中の花の都パリは、万国博覧会を目前に活気に満ちあふれています。ギュスターが弟子入りするのは、まさしくエッフェル塔の生みの親、ギュスターヴ・エッフェル。当時は、ニューヨークの自由の女神像も設計していました。

最後にはフェリシーの夢がかなうオペラ座は、ちょうどその10年前に完成し、すでにクラシックバレエの神殿といえる存在でした。

バレエ好きも、パリ好きも、そしてもちろん将来の夢にあふれた子供たちも楽しめる物語。

今月公開された映画は、土屋太鳳、黒木瞳、熊川哲也、夏木マリという吹き替えキャストの豪華さでも話題になっています。

(Y)