今月の新刊5冊目(2017年5月)

germany 『樹木たちの知られざる生活――森林管理官が聴いた森の声』

5月とはいえ、すっかり初夏の陽気ですが、この季節にぴったりの本が刊行されました。

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早川書房刊

表紙の緑がさわやかな『樹木たちの知られざる生活』です。
ドイツで長年、森林の管理に携わっていた著者が、樹木の秘密を教えてくれます。

木々はただ大きく成長し、葉を茂らせるだけではありません。
樹木どうしが互いにコミュニケーションをとりあい、助け合い、ときには縄張り争いをすることも。
音に反応し、数を数え、そして、じつは長い時間をかけて自ら移動する……。

そう、まさしく人間のように「生きている」のです。

ドイツで70万部売れ、34カ国に翻訳されているネイチャーノンフィクション。
これを読むと、周りの木々がこれまでとは違って見えるのではないでしょうか。

(Y)

今月の新刊4冊目(2017年5月)

united states of america 『アジアの終わり――経済破局と戦争を撒き散らす5つの危機』

アメリカの保守系シンクタンク気鋭の日本部長がアジアの危機を警告する、話題書の邦訳版が刊行されました。トランプ政権発足後、アメリカで多くの人に読まれているアジア分析書です。

徳間書店刊

徳間書店刊

著者のマイケル・オースリンは、イェール大学の元准教授(歴史学)で、現在はワシントンD.C.のアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)の日本部長。

本書では、アジアのリスクマップを作成し、(1)経済成長の失速、(2)人口問題、(3)未完成の政治革命、(4)政治的共同体の欠如、(5)戦争の脅威という5つのリスクについて分析しています。

時代を読み解くヒントがぎゅっと詰まった一冊です。
ぜひ手に取ってみてください。

(S)

今月の新刊3冊目(2017年5月)

denmark 『特捜部Q 吊された少女』

デンマークを舞台にした警察小説「特捜部Q」シリーズ。
第6巻の『吊された少女』が早くも文庫になりました。

早川書房刊

早川書房刊

ある日、特捜部Qにひとりの老警官から電話が入る。カールは電話の内容を真面目にとりあわなかったが、その直後、老警官が自分の退官式で自殺したと知る。彼は17年前の痛ましい事件に取り憑かれていたらしい。美しい少女がひき逃げされ、そのあとで木から逆さ吊りにされていた事件だ。
事件を調べるカールとアサドは、怪しげな新興宗教団体に近づいていく……。

このシリーズの魅力は、毎回、凄惨な事件を追いながら、現代の北欧が抱える社会問題の暗部が暴かれるという点。今回は〈人と自然の超越的統合センター〉という、いかにもありそうな名前のスピリチュアル集団​の教祖をめぐっておぞましい​​事件​が起きます​。
そして、この巻でも少しずつ、カールやアサドの謎の過去が明らかになっています。

そういえば、先日訪れたストックホルムでは、どこの書店でも、いちばん目立つところに特捜部Qがでーんと並べられていました。第7巻のスウェーデン語版が出たのでしょうか。
北欧でもいま最も人気のシリーズのようです。
日本でも、年末には第7巻を読者のみなさんにお届けできそうです!

(Y)

スウェーデンに行ってきました!《到来物編》

sweden 正味4日間という短い滞在でしたが、スウェーデンに別れを惜しみながら持ち帰ったお土産がこちら。

北欧のお酒といえばアクアビット。『ミレニアム』でも主人公が寒さに震えながら飲んでいましたっけ? ジャガイモからつくった蒸留酒でアルコール度数は40度以上。
となると、おつまみはやはり、ヘラジカの肉のジャーキー。

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スウェーデングッズに欠かせないのがヘラジカやトナカイ、そしてダーラナホース(ダーラナ地方発祥の木彫りの馬)です。こんなかわいいクネッケやチョコレートを見つけました。

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ヘラジカと馬をモチーフにした、ランチョンマット、カップ、木でできたバターナイフ。どれもとってもオシャレなお土産と喜ばれました。

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5月初旬のストックホルムは、日中20℃以上になる日もありましたが、最後の日は雪がちらつく寒さ! でも、景観も食べ物も道行く人たちも、なにもかもが穏やかでシックで心地よい旅でした。

みなさんも機会があれば、ぜひ行ってみてください!

(Y)

スウェーデンに行ってきました!《ミレニアム編》

sweden 全世界での累計発行数が1億部といわれているスウェーデンミステリ『ミレニアム』。

この小説の主人公ミカエルやリスベットが住んでいるのも、ミカエルが働いている雑誌『ミレニアム』の編集部があるのも、ストックホルムのセーデルマルム島です。

私が宿泊したホテルは偶然にもこのセーデルマルムにありました。
すぐ近くの市立博物館のウインドーには、市が主催するミレニアムツアーのポスターが。

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そこで小説冒頭の地図を頼りに、私もミレニアムツアーをしてみました。

まずミレニアムの編集部があるのは、スウェーデンでももっともオシャレな通りといわれているヨート通りの坂の途中。まわりにはカフェやブティックが並んでいます。

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路地に入ると、こんなレコード屋さんも……。

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そこから5分ぐらいのところ、小高い丘の上にリスベットが大金持ちになってから引っ越してきたというフィスカル通りがありました。ここから見えた夕焼け空と海の風景は忘れられません。

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ミカエルが住んでいるのは、セーデルマルムの中でももう少しダウンタウン。行き止まりに教会の尖塔が見える閑静な地域で、いかにも業界人が住んでいそう。

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最後に、リスベットが最初に住んでいたルンダ通りは、セーデルマルムでもかなりはずれ。実際に、スウェーデン映画「ミレニアム」ではこの通りのアパートがロケに使われていました。

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今年は、スウェーデンをはじめ、各国で『ミレニアム』第5巻が刊行される予定です。
5巻めではストックホルムのどこが舞台になるのか、いまから楽しみです。

(Y)

スウェーデンに行ってきました!《食べ物編》

sweden スウェーデンの食べ物といえば、まず思い浮かぶのがニシンとサーモン。

ホテルのすぐ近くに、地元の人にも人気のニシンサンドイッチの屋台がありました。
スウェーデンの主食ともいえるクネッケの上にニシンのフライ、キュウリのタマネギのマリネがのっているだけなのですが、絶品でした!

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スウェーデン人の旧友の家に招かれてのディナーでは、前菜には小エビや魚の卵がのったカナッペ、メインには二種類のサーモン。どれも新鮮でおいしい! 必ず、ゆでたジャガイモとクネッケもいっしょです。

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最終日は、生鮮市場のなかで、スウェーデンビールとともにミートボールとトナカイを食しました。主食はマッシュポテト。トナカイのお肉もさっぱりしていてとても食べやすかったです。
クリーム仕立てのソースの横には、まるで福神漬けのようにベリーの赤いジャムが……。最初は「ジャム!?」と思っていたのに、何度か食べているうちにジャムを混ぜないと何か物足りない。すっかり癖になりました。

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こちらの人はとにかくよくコーヒーを飲みます。
スウェーデンではお茶することを「フィーカ」といいますが、ストックホルムのカフェはどこも個性的なのに落ち着いている。
シナモンロール片手の「フィーカ」にうってつけでした。

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(Y)

スウェーデンに行ってきました!《乗り物編》

sweden 仕事の打ち合わせを兼ね、スウェーデンのストックホルムとスンツヴァルに行ってきました。

IMG_4397_2日本では家具や雑貨だけでなく、本の世界でもちょっとした北欧ブームですが、その中心といえるスウェーデンは期待どおり、洗練されている素敵な国でした!

まずは、時速200キロのアーランダエキスプレスで空港からストックホルムの中心へ。

IMG_4149_3そしてすぐに、ローカル列車に乗って首都から北へ400キロのスンツヴァルに行きました。車窓から見えるのは森、森、森。かつて林業で栄えたスンツヴァルは、こじんまりとしながらも石造りの建物が並ぶかわいらしい街でした。

IMG_4263_2大都市ストックホルムは14の島でできています。どこにいてもすぐそこは海。目の覚めるような青空と海のあいだに教会の尖塔をはじめヨーロッパならではの建物が並んでいます。それぞれの島のあいだには橋がかかっているので、徒歩・バス・地下鉄(橋の上だけは地上に出る)・トラムといろいろな交通手段で行き来できます。もちろん、船でもOK。

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そして、道行く人もお店の人もスウェーデンの人たちはだれもかれもが本当に親切!
完璧な英語で質問の答え以上のことを正確かつ丁寧に教えてくれました。
これも平等教育のたまものでしょうか……。

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(Y)

今月の新刊2冊目(2017年5月)

united states of america 『美女と野獣』

5月の新刊第二弾は、『美女と野獣――運命のとびら』(上・下)です。

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小学館刊

エマ・ワトソン主演の実写映画も大ヒット中の『美女と野獣』。
こちらは、〝もうひとつの〟『美女と野獣』です。

出かけたまま帰らない父親を心配して探しに出たベルは、
森の奥のふしぎな城で、父親を捕らえていたビーストと出会う。

父親の代わりに囚われの身となったベルは、
城のなかを探るうちにビーストにかけられた呪いの秘密を知る。

そこには、過去の恋の物語と魔法の王国を襲った悲劇、
そしてなんと、ベルの母親が大きくかかわっていて……。

過去と現在が交錯する重厚なストーリー。
ハラハラドキドキしたり、ゾッとしたり、胸がキュンとなったり……
読み終わったときには勇気が湧いているにちがいありません。

ディズニー版でおなじみのキャラクターも大活躍!
(もちろんポット夫人とチップも)

『美女と野獣』が大好きな人もよく知らない人も楽しめる、感動巨編です。

(N)

 

今月の新刊1冊目(2017年5月)

united states of america 『ママがほんとうにしたかったこと』

家族と本が大好きなアリスは、夫と3人の子供と暮らすパート編集者。
ある日突然、夫が失業し、アリスはフルタイムで働くことに。いつしか家事はおざなり、育児はシッター任せ、夫はいまいち頼りにならず、子供との関係も微妙になる……。

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小学館刊

毎日、子育てと仕事に追われているワーキングママはもちろんのこと、アメリカ女性の働き方に興味のある人、家族との悩みを抱えている人、そして本の未来を憂う人たちにも読んでいただきたい一冊。
「あるある」「わかるわかる」とうなずきながらも、じーんと胸に来ます。

家族が描かれている装丁も爽やか。
表には「私」と子供たち、裏表紙には両親、そして夫の姿は・・・・・・!?

(Y)