デンマークを舞台にした警察小説「特捜部Q」シリーズ。
第6巻の『吊された少女』が早くも文庫になりました。
ある日、特捜部Qにひとりの老警官から電話が入る。カールは電話の内容を真面目にとりあわなかったが、その直後、老警官が自分の退官式で自殺したと知る。彼は17年前の痛ましい事件に取り憑かれていたらしい。美しい少女がひき逃げされ、そのあとで木から逆さ吊りにされていた事件だ。
事件を調べるカールとアサドは、怪しげな新興宗教団体に近づいていく……。
このシリーズの魅力は、毎回、凄惨な事件を追いながら、現代の北欧が抱える社会問題の暗部が暴かれるという点。今回は〈人と自然の超越的統合センター〉という、いかにもありそうな名前のスピリチュアル集団の教祖をめぐっておぞましい事件が起きます。
そして、この巻でも少しずつ、カールやアサドの謎の過去が明らかになっています。
そういえば、先日訪れたストックホルムでは、どこの書店でも、いちばん目立つところに特捜部Qがでーんと並べられていました。第7巻のスウェーデン語版が出たのでしょうか。
北欧でもいま最も人気のシリーズのようです。
日本でも、年末には第7巻を読者のみなさんにお届けできそうです!
(Y)