今月の新刊3冊目(2017年5月)

denmark 『特捜部Q 吊された少女』

デンマークを舞台にした警察小説「特捜部Q」シリーズ。
第6巻の『吊された少女』が早くも文庫になりました。

早川書房刊

早川書房刊

ある日、特捜部Qにひとりの老警官から電話が入る。カールは電話の内容を真面目にとりあわなかったが、その直後、老警官が自分の退官式で自殺したと知る。彼は17年前の痛ましい事件に取り憑かれていたらしい。美しい少女がひき逃げされ、そのあとで木から逆さ吊りにされていた事件だ。
事件を調べるカールとアサドは、怪しげな新興宗教団体に近づいていく……。

このシリーズの魅力は、毎回、凄惨な事件を追いながら、現代の北欧が抱える社会問題の暗部が暴かれるという点。今回は〈人と自然の超越的統合センター〉という、いかにもありそうな名前のスピリチュアル集団​の教祖をめぐっておぞましい​​事件​が起きます​。
そして、この巻でも少しずつ、カールやアサドの謎の過去が明らかになっています。

そういえば、先日訪れたストックホルムでは、どこの書店でも、いちばん目立つところに特捜部Qがでーんと並べられていました。第7巻のスウェーデン語版が出たのでしょうか。
北欧でもいま最も人気のシリーズのようです。
日本でも、年末には第7巻を読者のみなさんにお届けできそうです!

(Y)