今月の新刊4冊目(2017年8月)

germany 『ローダンNEO 2 テラニア』

先月スタートした〈ローダンNEO〉シリーズの第2巻が刊行されました。

早川書房刊

早川書房刊

本シリーズはドイツ本国ではすでに150話に達していますが、日本では第1シーズンにあたる全8巻が来年2月まで月1冊のペースで刊行される予定です。

月で出会ったアルコン人のクレストの病気を治療すべく地球に帰還したペリー・ローダン。しかし、どういうわけか祖国アメリカには戻らず、《スターダスト》はゴビ砂漠に着陸します。アルコン人の高度な技術を用いたシールドに守られてはいるものの、中国軍に包囲され攻撃を受けて外に出ることもできず、クレストの病状は悪化するばかり。緊張と不安が高まる中、ローダンが全世界に向けて行った宣言とは……

第1巻と同様、ローダンのストーリーと平行してもう一つのストーリーが語られます。パラレルに進んでいく物語がどうつながっていくのか、まだ全貌は見えていませんが、パズルが少しずつ組み合わされるように物語が動いていきます。そして次巻で大きく展開する、そんな予感を抱かせるところで第2巻は幕を閉じます。

正篇の〈宇宙英雄ローダン〉を読んでいなくても楽しめる、スペースオペラの王道をいくシリーズです。

(I)

今月の新刊3冊目(2017年8月)

united states of america 『激情回路――人はなぜ「キレる」のか』

ふだんはとても穏やかな人が、突然​キレて暴力を振るう。
ときには、その怒りがエスカレートして殺人事件に発展することも……。

春秋社刊

春秋社刊

私たちの日常生活でも、子供や親やパートナーに対してかっとなり感情が抑えられなくなってしまったなんてことが、たまにはあるのでは?
相手に罵詈雑言を浴びせかけ、しばらくたって冷静になってみると「なんであんなに怒ったのだろう?」と反省する……。

神経学者の著者は、ある日、旅行先のバルセロナでスリにあい、反射的に相手をつかまえて、投げ技で倒します。でも、その後、仕返ししようとするスリ集団に街中を追い回される羽目に。
喧嘩好きでもなければ格闘技の経験もない自分が、なぜあのときあんな行動に出たのか?
その事件をきっかけに、著者は、人間を無意識のうちに「激情」に追い立てる脳の回路を解明しようとありとあらゆる研究をし​たといいます。

脳には暴力的な行為を引き起こすプログラムが組み込まれていて、「9つのトリガー(きっかけ)」でそのプログラムが作動するのだそうです。
逆に言えば、その「きっかけ​」​さえ理解していれば、とんでもない事態は避けられるのです。

猛暑でいらいらしがちな今日この頃。
瞬間的な怒りで人間関係をだいなしにしないためにも、ぜひ読んでみてください!

(Y)