今月の新刊(2016年9月)4冊目

sweden_2 『熊と踊れ』

9月の新刊4冊目は、北欧ミステリの超話題作『熊と踊れ』。

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早川書房刊

「スウェーデンを震撼させた現実の事件をモデルに、怒濤の筆力で書き上げられた最強の北欧ミステリ」(早川書房HPの紹介文より)。読み始めたら止まらないと、すでにあちこちで評判になっています。

熊とはだれなのか、なぜ熊と踊るのか……

著者は、アンデシュ・ルースルンドとステファン・トゥンベリ。
英国推理作家協会賞や北欧最大のミステリ賞「ガラスの鍵」賞ほか数々の受賞歴を誇り、世界的な北欧ミステリ・ブームを牽引する存在であるルースルンドと、今回新たにコンビを組んだシナリオライターのトゥンベリ。二人の手になる極上のミステリをお楽しみください。

じつはこの作品、ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品ということで、刊行前に書店などに配る「上下合本版見本」もつくられました。1118ページという圧巻の厚さです。

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上下合本版見本(非売品)

書店のハヤカワ・ミステリ文庫コーナーで『熊と踊れ』を見かけましたら、ぜひお手にとってみてください。

(S)

今月の新刊(2016年9月)3冊目

アメリカ 『森の人々』

今月の新刊、3冊目はフィクション作品です。

人類学者の調査に同行し、南洋の島イヴ・イヴに渡った若き免疫学者ノートン・ペリーナ。島で彼を待ち受けていたのは、ふしぎな部族と、食すと不老不死になる幻のカメだった……!

光文社刊

光文社刊

奇想天外な物語なのに、ノンフィクションを読んでいるかのようなリアリティがあり、引き込まれること間違いなし。いろいろな方向へと心を揺さぶられる、力強い作品です。

本書でデビューした著者のハニヤ・ヤナギハラは、2作目のA Little Life(2015)がブッカー賞、全米図書賞の候補となるなど、いま注目の作家。

日本版の装丁もすてきですが、原書(とくにハードカバー版)の装丁も、物語のさまざまな要素を含んでいて、かっこいいです。

■原書ハードカバー版のカメ

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■原書ソフトカバー版のカメ

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■アロハシャツを着ているようなカメ(Kindle版)

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(N)

今月の新刊(2016年9月)2冊目

Denmark 『ISの人質――13カ月の拘束、そして生還』

今月の新刊の2冊目は、「イスラム国」に拘束されたデンマーク人カメラマンの過酷な体験を、女性ジャーナリストがまとめたノンフィクション作品。

光文社刊(光文社新書)

2013年、紛争地域の人々を撮影するためシリアに入国したカメラマン、ダニエルが消息をたった。まもなく、家族のもとにISを名乗る組織からメールが届く。
「ダニエルを返してほしければ、200万ユーロを現金で払え」……

拘束までの過程、拷問の様子、家族や友人の思い、人質解放にむけた水面下での交渉、自国民のために身代金を払えないデンマーク政府の葛藤などが、綿密な取材をもとに生々しい言葉で語られています。

​「イスラム国」の監獄の実態を描いた​衝撃の一冊です。

 (K)

今月の新刊(2016年9月) 1冊目

%e3%82%a4%e3%82%ae%e3%83%aa%e3%82%b9_small 『インフォグラフィックスができるまで』

新学期だからでしょうか。
「読書の秋」だからでしょうか。
9月は出版される書籍が多いようです。
オフィスにも毎日のようにリベル翻訳本が届いています。

今月の新刊の1冊目は……
『インフォグラフィックスができるまで――デザイナー73人のアイデアスケッチから完成まで』

パイ インターナショナル刊

パイ インターナショナル刊

インフォグラフィックス(infographics)とは、情報やデータをイラストや地図などを使って視覚的に表現したもののこと。

世界的に有名なグラフィックデザイナー73人の手による「インフォグラフィックス」を集めたのがこの本です。
アイデアが生まれるまでの過程やどんなツールを使ったかも明かされています。

カラフルでおしゃれで、ながめるだけでも楽しい一冊。

4年後の東京オリンピックには世界じゅうの人がやってきます。
言語の壁を越えて情報を伝えられる「インフォグラフィックス」は、いろいろな場で活躍しそうですね。

(N)

今月の新刊(2016年8月) 2冊目

アルゼンチン アルゼンチンのミステリ『ラスト・ウェイ・アウト』

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デット・マッケイは自分の頭に向けて銃をかまえた。引き金に指をかけた瞬間、玄関の扉を激しく叩く音がして、リンチと名乗る見知らぬ男が部屋に入ってくる……

訳者あとがきには、
「混沌の果てに迎える第2部の最初の1行があまりに衝撃的だ」と書かれ、

なぜか、第3部の冒頭に登場人物紹介が……

帯と裏表紙には
「あらゆる解釈を裏切る展開」
「世界が揺れる」
「異様なるイメージ」
「南米発の奇書」
といった言葉が並んでいます。

ラスト・ウェイ・アウト=最終出口はいったいどこにある?

いまだかつてないミステリーを求めている人、必読です!

おしゃれな装丁、そして帯をとると、そこにも……

(Y)

今月の新刊(2016年8月) 1冊目

イギリス 『ビジネス・フォー・パンクス ルールを破り熱狂を生むマーケティング』

2007年に約300万円で創業し、わずか7年で売上70億円を超える急成長を遂げたイギリスのクラフトビール会社 BrewDog(ブリュードッグ)の秘密は?

日経BP社

日経BP社刊

創業者はジェームズ、マーティン、そして1匹の犬。その経営の根幹は“パンクの哲学”にあります。

・始めるのはビジネスじゃない。革命戦争だ
・人の話は聞くな。アドバイスは無視しろ
・事業計画なんか時間の無駄だ
・嫌われ者になれ
・永遠に青二才でいろ
・すべてがマーケティングだ
・顧客ではなく、ファンをつくれ

なんともパンクな経営哲学です。
先週木曜日には、日本語版の出版を祝って BrewDog Roppongi で特別イベントが開催されました。リベルからも訳者とスタッフがうかがい、おいしいクラフトビールと料理を堪能してきました。

Brewdog Roppongi

日本語版刊行記念イベント

日本語版は Amazon.co.jp で予約受付中です。
もうすぐ書店にも並びますので、見かけたらぜひお手にとってみてください。

ちなみにブリュードッグの最初の一杯としてはお勧めなのは”Punk IPA“。本を片手にぜひお試しあれ!

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(S)

今月の新刊(2016年7月) 6冊目

アメリカ 『喰い尽くされるアフリカ――欧米の資源略奪システムを中国が乗っ取る日』

集英社刊

集英社刊

アフリカには石油やダイヤモンドといった資源がたくさんある。
資源の開発もどんどん進められている。
それなのになぜ、いまでもアフリカの国々は貧困に苦しんでいるのか?

以前は欧米が略奪していた資源をめぐる利益はいまや中国の手に……。
中国企業の巧妙な手口がリアルに明かされています。
アフリカの問題を考えるうえでも、中国という国を知るうえでもとても興味深い一冊です。

著者は、ファイナンシャル・タイムズ紙の記者として長くアフリカに住み、足で取材を重ね、本書でアメリカ海外記者クラブ賞を受賞したそうです。

(Y)

今月の新刊(2016年7月)5冊目

 『ミルク殺人と憂鬱な夏――中年警部クルフティンガー』

「中年警部クルフティンガー」シリーズの第1作目。
ドイツではすでに8作目まで刊行され、テレビドラマ化もされた大人気シリーズです。

早川書房刊 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

早川書房刊 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

不器用、迂闊、恐妻家! それでも事件は解決します!
主人公のクルフティンガーは、まさにこの本の帯にあるとおりの人物です。

周囲にのせられ音楽隊で大太鼓の練習にはげみ、「ぽっこり腹」を少し気にしながらも週1回、妻がつくったタマネギたっぷりのケーゼシュペッツレ(ドイツのチーズパスタ)を食べるのを何よりも楽しみにしている。

そんな彼の住む小さな町で殺人事件が起こり……

人間みあふれる、愛すべき中年警部の活躍をお見逃しなく!
ミルク色と牧草色のカバーが目印です。

(N)

今月の新刊(2016年7月)4冊目

 『MONUMENTAL 世界のすごい建築』

フランスのデザイナーとイラストレーターのユニットによる、世界じゅうの「すごい」建築物を集めた絵本です。
合計178の建物が紹介されていますが、「すごい」といってもその基準はさまざま。

ポプラ社刊

ポプラ社刊

美しいモスクや、世界一高いタワーもあれば、とてつもなく巨大な記念碑、不思議な形のビル、実用性を無視しているとしか思えない病院も……。

日本からは、東京スカイツリー、今治市伊東豊雄建築ミュージアム、四天王寺がノミネートされています。

世界には、見たことのない建築物がまだまだたくさん!
本を片手に、「すごい」建物を訪ねる旅に出たくなります。

(S)

今月の新刊(2016年7月) 3冊目

 『NASA式 最強の健康法――「座りすぎ」をやめると、脳と身体が変わる』

つい先日、宇宙飛行士の大西卓哉さんを乗せたソユーズが打ち上げられましたが、宇宙では地球の10倍以上のスピードで身体が「老化」してしまうのをご存じでしょうか?

これは、宇宙の「無重力」が原因だそうです。

この宇宙飛行士の経験を踏まえて、NASAの研究員だった著者が、地球でも椅子に「座りっぱなし」がいかに健康に悪いか、ではどうすればいいのかを具体的に教えてくれます。

ポプラ社刊

ポプラ社刊 (ポプラ新書)

毎日パソコンの前で生活しているような「翻訳者」たちには耳の痛い話ばかり。
これを読めば、あなたも30分に1度は立ち上がりたくなるはず!

以下のブログでも絶賛されています。
マインドマップ的読書感想文 (クリックすると別サイトの記事が開きます)

 (Y)