今月の新刊(2016年10月)5冊目

%e3%82%a4%e3%82%ae%e3%83%aa%e3%82%b9_small 『逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる』

「大きな重圧がの しかかったとき、ある人は挫折し、ある人はうまく対処し、ある人は上手に切り抜けるだけでなく力強く成長する。この力をレジリエンスと呼ぶ」

CCCメディアハウス刊

CCCメディアハウス刊

いま、「レジリエンス(逆境力、回復力)」という概念が注目されています。
レジリエンスの原動力は何なのか、レジリエンスが欠けている人がいるのはなぜなのか、はたしてレジリエンスは強化できるのか。その秘密を50項目にわけて徹底的に解き明かしているのが本書『逆境力の秘密50 何があっても打たれ強い自分をつくる』です。

目次の一部を見てみると……

・失敗を糧に前進し、後退しない
・被害者モードから抜け出す
・過去に立ち直った経験から学ぶ
・“午前2時の声”に耳を傾けない
・もう少しだけ自分を信じる
・少しだけできるふりをする
・率直なフィードバックをもらう
・変化に正面から向き合う
・跳ね返り、元に戻る

といった項目が並んでいます。
また、各ページの下部には、何があっても対処できる力を与えてくれる名言が書かれています。

レジリエンスは、生まれ持った気質ではなく、習得し、開発し、強化することができるそうです。

仕事だけでなく、健康で幸せな生活のためにも必要なレジリエンスを、本書でぜひ手に入れてください。

(S)

今月の新刊(2016年10月)4冊目

アメリカ 『観察力を磨く 名画読解』

「この世界はたくさんの不思議をたたえ、
私たちの気づきを、辛抱強く待っている」

早川書房刊

早川書房刊

今月の新刊4冊めは、早川書房刊行のノンフィクション『観察力を磨く 名画読解』です。

目という脅威の“コンピュータ”を使って、情報収集能力、思考力、判断力、伝達力、質問力をいかに向上させるか。弁護士にして美術史でもある著者のエイミー・ハーマンが、アートを分析する力を仕事に生かす方法を伝授します。

バイアスにとらわれない洞察力、重要な情報を引き出す質問力、確実に理解してもらえる伝達力、失敗しない判断力など、どれも身につけておいて損はない能力です。

FBIやCIA、ニューヨーク市警、ロンドン警視庁、アメリカ陸海軍、大手企業などで開催されているセミナーを、あなたも紙上で体験してみませんか。

(S)

今月の新刊(2016年10月)3冊目

france 『うごかす! めくる! こうじげんば』

今月の新刊3冊めは、しかけ絵本 『うごかす! めくる! こうじげんば』 です。

img_1164_2

パイインターナショナル刊

ビル、道路、飛行機から、ジェットコースターにサーカスまで!
どんな役割の人たちが、どんなふうにつくっているのか….
フランスのイラストレーターのかわいい絵で見ることができます。

すべてひらがなで書かれているので、
小さなお子さんも、自分で読みながら楽しめます。
ちょっぴり専門的な言葉も出てきて、
おとなが読んでも「この機械って、こんな名前なのか~」と新たな発見があるかもしれません。

意外なところが開いたり動いたりするので、ページをくまなくさわってみてくださいね。
全ページの「しかけ」を紹介するムービーをこちらのページでご覧になれます。

お誕生日やクリスマスのプレゼントにもおすすめです。

(N)

今月の新刊(2016年10月)2冊目

%e3%82%a4%e3%82%ae%e3%83%aa%e3%82%b9_small 『氷の双子 THE ICE TWINS』

今月の二冊目は、スコットランドを舞台にした『氷の双子』です。

六歳の双子の娘のひとり、リディアを事故で失った夫婦。
一年後、二人は家族の再起を賭けてロンドンからスコットランドの孤島へと移住する。
ところがある日、遺された娘カースティは母にこう言った。「マミー、死んだのはカースティだよ。あたしはリディア」

小学館刊

小学館刊

子どもが生まれたことでセックスレスになる夫婦、二人の子供と平等に接することができない母親、親でも間違えるほどそっくりな双子……。
どこの家庭でも​ありうる​、夫婦、親子、姉妹間のそういった​関係​が、スコットランドの小さな島に吹き荒れる嵐とともにとんでもない方向に発展していきます。

はたして、死んだのはリディアなのかカースティなのか?
孤島の美しくも厳しい自然の中で夫婦がじわじわと追い詰められていく過程はスリル満点。

刊行とともにイギリスでベストセラー1位を獲得した、今年一番背筋が凍るノンストップサイコスリラーです!

(Y)

今月の新刊(2016年10月)1冊目

アメリカ 『熱狂の王 ドナルド・トランプ』

10月の新刊紹介のトップバッターは、来月8日に迫ったアメリカ大統領選挙がらみの一冊です。

ドナルド・トランプ本人や関係者への徹底的なインタビューと独自取材を元に、ピュリッツァー賞授賞ジャーナリストのマイケル・ダントニオが3年をかけて書 き上げ、『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』『フィナンシャル・タイムズ』など欧米メディアで絶賛された本格ノンフィクション『熱狂の王 ドナルド・トランプ』

クロスメディア・パブリッシング刊

クロスメディア・パブリッシング刊

人種・労働問題や政策、外交から、メディア、ビジネス、セレブのゴシップまで、歯に衣を着せない発言で知られるドナルド・トランプは、いかにして大統領候補にまで上り詰めたのか。

アメリカの抱えるあらゆるグレーな部分を巧みに利用しながら、良くも悪くも注目を集め続けてきたトランプを知ることは、現代のアメリカが抱える矛盾や不安、問題点を知ることでもあります。

『アフター・アメリカ』『アメリカン・デモクラシーの逆説』の著者としても知られる、慶応義塾大学SFC教授の渡辺靖氏の解説付きという、旬の一冊をぜひお手にとってみてください。

(S)

今月の新刊(2016年9月)9冊目

アメリカ 『愛は戦渦を駆け抜けて 報道カメラマンとして、女として、母として』

今月の新刊9冊目は、『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ナショナルジオグラフィック』誌などに写真を提供し、ピューリッツァー賞を含む数多くの賞を獲得してきた女性フォトジャーナリストの自伝です。実際に彼女が撮った写真も多数収録されています。

KADOKAWA刊

KADOKAWA刊

「旅をして、アメリカ以外の世界を知りたい」とカメラマンの道を選んだ著者、リンジー・アダリオは、9・11(米同時多発テロ)事件をきっかけに、「対テロ戦争」の現場を飛び回る日々を送るようになります。戦闘を、葬送を、飢餓を目の当たりにし、一枚の写真のためにみずからの命も危険にさらす毎日……。

結婚と妊娠を経験し、何度となく困難な選択を迫られても、リンジーがカメラマンという仕事を離れることはありません。そして彼女は、「ほかの形の幸せもあるとわかってはいても、これがわたしの幸せ」と力強く語ります。

この作品は、スティーブン・スピルバーグ監督、ジェニファー・ローレンス主演で映画化されることが決定しています。書籍とあわせて要チェックです!

(N)

今月の新刊(2016年9月)8冊目

spain 『太陽と痛み』

今月の新刊8冊めは、スペインの書店が年間ベストセラーに選んだ小説『太陽と痛み』です。

早川書房刊

早川書房刊

村じゅうの男たちの捜索の目を逃れてようやく穴から這い出した少年は、北へと歩きつづける。少年を待ち受けていたのは、想像を絶する厳しい自然だった。

どこまでも続く赤褐色の大地に規則正しく並ぶオリーブの木……

この小説では、背景となる場所も年代も書かれてはいません。ですが、これはスペイン南部を訪れたことのある人ならすぐに思い浮かべる情景なのだそうです。

やがて、少年は年老いたヤギ飼いと出会い旅路をともにするうちに、次第に心通わせていく……

少年がなぜ逃亡しているのかも、ヤギ飼いの過去についてもここには書かれていません。ですが、二人と追っ手をとおして、強者と弱者、善と悪……といった対峙する二つのタイプの普遍的な人間像が浮き彫りになっていきます。

荒野を灼く「太陽」と歩みつづける少年と老人の「痛み」を描く、魂の彷徨の物語。

タイトルも詩的なら、大地にたたずむヤギと男の子のデッサン画による表紙も素敵です。

秋の夜長、スペインワインと生ハムを片手にいかがでしょうか。

(Y)

今月の新刊(2016年9月)7冊目

italia 『パードレはそこにいる』

9月はリベル翻訳本が続々オフィスに届いています。今月の新刊7冊めは、イタリアでベストセラーとなったミステリ『パードレはそこにいる』。

「パードレ」は英語の「father」にあたる言葉。原題のUccidi il Padreは「パードレを殺せ」という意味だそうです。なんとも物騒なタイトルですが……

早川書房刊

早川書房刊

ローマで女性が惨殺され、その幼い息子が行方不明に。ひそかに捜査をまかされたのが、警察官コロンバと、失踪人捜索専門のコンサルタント、ダンテ。

じつはこのふたり、それぞれ心に大きな傷を抱えています。コロンバはある事件の捜査中に大怪我を負い、現在休職中。ダンテには、6歳で誘拐されて11年間監禁されていたという壮絶な過去が……。そんなふたりが力を合わせて大活躍します。

上・下巻ですが、一気読み必至。著者は現在続編を執筆中とのこと。早く読みたいです!

(N)

今月の新刊(2016年9月)6冊目

france 『格差と再分配――20世紀フランスの資本』

世界累計200万部、日本で14万部超を売り上げた『21世紀の資本』。
辞書のように分厚く、内容も硬い経済書がそんなに売れるとは……と話題沸騰し、著者のトマ・ピケティの名は、日本でも一躍有名になりました。

その『21世紀の資本』のネタ本ともいえるのが本書です。
格差の構造をあぶりだすために、フランスの20世紀の100年間にわたる税務データを分析。
その徹底ぶりと細かさは、学者とはこんなにも地道な調査をコツコツとつみあげるものなのか……と実感させてくれます。

img_7990_2

早川書房刊

用語チェックなどをお願いした経済学の先生が原書をごらんになって、「こ、これ、ホントにフランス語から全部訳すんですか!」とおっしゃっただけあって、ボリュームは『21世紀~』よりさらに多く、なんと日本語版で1100ページ超!

img_7941_2

厚さ5センチ超!

ゲラだけでこの量になりました……。

ゲラの山

ゲラの山

そして、フランス語の翻訳者8人、経済学の先生お2人、編集者さん、校正者さん……と、じつにたくさんの方のチームワークで、ついにできあがりました!

書店、図書館などで見かけたら、この中身がぎゅっと詰まった本をぜひ手に取ってみてください。

(Y)

今月の新刊(2016年9月)5冊目

アメリカ 『オープン・オーガニゼーション』

レッドハット(Red Hat)という会社をご存じでしょうか。
オープンソース・ソフトウェア(たとえばLinux)を利用したビジネスを展開する世界的企業です(本社はアメリカ)。

2007年にデルタ航空のCOO(最高執行責任者)からレッドハットに転じたジム・ホワイトハースト社長兼CEO(最高経営責任者)が、成長しつづける組織をつくる最先端のマネジメントをみずから解説したのが本書です。

日経BP社刊

日経BP社刊

たとえば、
・誰のアイデアでも、平等に競わせる
・影響力は肩書きではなく、生み出した価値に基づく
・縦よりも横のコミュニケーションが重要である
・自発的な関与を重んじる
・「何を?」より「なぜ?」が重視される
……といったことに触れられています。

「未来に活躍できる組織をすでに体現した企業」といわれるレッドハットの経営の秘密を知ることのできる、魅力的な一冊です。

(S)