『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』
2017年1月にドナルド・トランプが第45代アメリカ合衆国大統領に就任して以降、アメリカで読まれつづけている本があります。“Hillbilly Elegy: A Memoir of a Family and Culture in Crisis”は、2016年6月にアメリカで刊行され、現在でもAmazon.comで総合5位とベストセラーリストの上位にランクインしています。
その待望の邦訳版『ヒルビリー・エレジー』が、今月刊行されました。
光文社刊
英エコノミスト誌は本書を「2016年に出版された本のなかで、アメリカを知るためにもっとも重要な一冊」と評しています。
著者のJ・D・ヴァンスは、名門イェール大学ロースクール出身の弁護士。現在はシリコンバレーの投資会社のプリンシパルとして働いています。
失業、貧困、離婚、家庭内暴力、ドラッグが蔓延するアメリカ中西部の町で、貧しく苦しい家庭環境で育ったヴァンスは、どのようにしてアメリカンドリームを実現したのでしょうか。ドナルド・トランプの強力な支持基盤となった「ヒルビリー」とは、いったいどんな人たちなのでしょうか。貧困にあえぐ白人労働者階層の実態は?
……などなど、本書には、アメリカの現実が鮮やかに描かれています。
しかもその内容は、アメリカ人にとってさえ衝撃的なものでした。だからこそ、アメリカで一年近くもベストセラーリストの上位に名を連ねているわけです。
日本の皆さんにも、ぜひ読んでみていただきたい一冊です。
(S)