2015年1月の新刊

東京は寒い雪から一転、気持ちのいい晴れです。

こうして少しずつ春が近づいてくると思うと
厳しい寒さにも耐えられる気がします!

今日は、弊社が翻訳を手がけた1月の新刊4冊を紹介します。

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*上段左:『クリスチアーネFの真実 薬物依存、売春、蘇生への道』
13歳の少女がヘロインに溺れ娼婦に身を落としていく姿を描いた衝撃作『クリスチーネ・F』から35年。物語のモデルとなったクリスチアーネが、その後の人生を赤裸々に語る。

*上段右:『緊急速報(下)』
ヒット作『深海のYrr』の著者の最新作。イスラエルを舞台に繰り広げられる壮大なサスペンス。国家の歴史の闇をめぐり、ドイツ人ジャーナリストが姿なき敵と激しい戦いを繰り広げる。
(※上・中・下の3巻本のうち、弊社は「下巻」のみの翻訳を担当しました)

*下段左:『グローバル・アジェンダ:ターニング・ポイント 2015』
アメリカのニューヨーク・タイムズが年1回発行する雑誌『Turning Points』の日本版。各界の著名人が、2014年を振り返り、新たな1年をうらなう。
(※一部記事の翻訳を手がけました)

*下段右:『絵でよむ聖書』
スペインの有名絵本画家、ピラリン・バイェスが描く聖書の世界。絵をすみずみまで見ると、たくさんの発見があるはず。文字での説明も詳しく、大人も子供も楽しめます。

(N)

It’s a small world

多言語翻訳会社として、これまで15の言語の書籍を翻訳してきました。それだけ多くの言語の翻訳者さんが弊社に登録しているわけですが、2割ぐらいが海外在住者です。

大半は、その方の翻訳言語が公用語である国に住んでいらっしゃいますが、ニュージーランド在住のイタリア語翻訳者さん、スロヴェニアで暮らす英語・フランス語翻訳者さん、ミャンマーでお仕事されているフランス語翻訳者さんなど、そうでない方もいます。

海外在住の方は日本に一時帰国されると、よく弊社のオフィスに立ち寄ってくださいます。
おかげで、うちのスタッフはしょっちゅう海外のおいしいチョコレートや、めったにお目にかかれないお菓子を味わえるという恩恵に浴します。

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それだけでなく、私たちの役得(?)はなんといっても、いろいろな国の現状をリアルに聞けることでしょう。
気候、習慣、マインド……どんな国の話でも、長年住んでいらっしゃるからこそのエピソードは新鮮で、思わず仕事の手を休めて聞き入ってしまうものばかり。

そういえば3.11のあと、たくさんの海外在住翻訳者さんが大震災の影響を心配するメールをくださるとともに、その国では原発問題がどうとらえられているかについて忌憚のないところを伝えてくれましたっけ。
どれも、日本国内にいては知ることのできない貴重な情報でした。

またご存じのように、海外の書籍の舞台は実にさまざまです。フランス語本だからといってフランスが舞台とは限りません。一冊の本でも、いくつかの国について書かれていたり、いろいろな国籍の人が登場したりすることも珍しくありません。

そんなときにも海外在住翻訳者さんの存在は心強く、多言語の翻訳会社をやっていてよかったな~と思うのです。

(Y)

年賀のご挨拶(ひつじ年)

ana_141230謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中はお世話になりました。心からお礼申し上げます。

昨年、弊社は64冊の書籍翻訳にかかわらせていただくことができました。フィクション、ノンフィクション、子供向けの本、絵本… 分野も多岐にわたっています。

今年は、書籍翻訳や実務翻訳の仕事に加えて、1月から書籍翻訳セミナー(フィクション編)が始まります。

セミナーの第1回は1月18日(日)。昨年秋から着々と準備を進めています。フィクション編に続いて、ノンフィクション編、児童書編のセミナーも予定しています。

目の回るような忙しい一年になりそうですが、仕事の現場やセミナーの講義室でみなさまにお会いできるのを、今から楽しみにしております。

今年一年、みなさまにとってよい一年になりますように!

(S)

今年もお世話になりました

2014年もあと1日。
書籍の翻訳、書籍以外の翻訳、通訳、リーディング、テープ起こし……
いろいろなお仕事で、さまざまなかたちでお世話になりました。

1年間、本当にありがとうございました!

2015年もどうぞよろしくお願いいたします。
みなさま、よいお年をお迎えくださいませ。

books_2014(弊社が翻訳を担当した2014年刊行の書籍を並べてみました)

(N)

Merry Christmas!

メリー・クリスマス!

弊社のオフィスがある表参道のけやき並木では、冬の風物詩となったイルミネーションが輝いています。
表参道のイルミネーションは2009年に11年ぶりに復活し、今年で6年目になるそうです。

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みなさまも、よい聖夜を!
(S)

2014年12月の新刊

毎月弊社には、5〜6冊の完本が届きます。

伝票に「完本」と書いてある小包が届くたび、どんな本に仕上がったのかとワクワクします。

この1年のあいだに、弊社には64箱の完本が届きました。
翻訳者さん、編集者さんをはじめ、たくさんの方の思いのたっぷり詰まった本。
わたしたちにとっても、愛しい本ばかりです。

12月の新刊5冊を紹介します。

*上段左:『ラウンドタワー』
〈アルケミスト双書〉より。11〜12世紀に建てられ、アイルランドに100基ほど現存する円形石塔の謎を追う。本文を彩る版画も美しい。

*上段中央:『牛肉の歴史』
〈食べ物の歴史〉シリーズより。大昔からつづく人間と牛肉との関係を、歴史、文化、調理法など、さまざまな視点から多角的に描く。*上段右:『デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方』
「国民幸福指数」世界一の国デンマーク。ミュージシャン、作家、デザイナー、企業経営者など、さまざまな分野の第一線で活躍する人々へのインタビューをとおして、クリエイティブに生きる秘訣を探る。

*下段左:『特捜部Q カルテ番号64』(上・下)
人気警察小説シリーズ「特捜部Q」の第4弾が文庫に。20年前に起きたナイトクラブのマダム失踪事件の解決に挑む。ちなみにシリーズ第1作『檻の中の女』の映画が間もなく日本上陸。

*下段右:『スパイは泳ぎつづける』
スウェーデンの若手注目作家のデビュー作。巨大な陰謀に巻き込まれた若者たちと元CIA職員が繰り広げるノンストップスリラー。
2014年12月刊行本
(N)

年末狂騒曲

いやあ、それにしても忙しい。
御用納めまであと一週間。いつもは無駄口と笑い満載の我らがオフィスも、今日ばかりは、人数はいつもより多いのに、しーんとしています。というか、殺気立っている……

それにしても12月はなんでこんなに時間がないのでしょう。
前半は忘年会やイベントつづき。後半ともなると、印刷所が年内早く閉まる関係で初校・再校ラッシュ。そして編集者さんが年末年始の休みに原稿やレジュメを読むためか、訳稿の締切も多いのです。

そういえば、昨年末はどうにかその山を越えたと思ったら、1月2日にゲラを戻すとか、1月3日だしのリーディングとか、なぜか三が日締切がいくつかあり……かくして、一部の翻訳者さんにはお休みを返上させてしまい……
そのうえ! 緊急事態が発生し(泣)、その処理で大晦日までオフィスにおりました。
1月2日にはまた仕事の続きのためにスタッフが集合していましたっけ。

ああ、今年こそ年末年始は人並みにお休みしたい!
スタッフもお休みさせてあげたい!
翻訳者さんたちにも無理を言いたくない!

だから今夜もみんなで、夜更けまで頑張るのです(汗)
(Y)

翻訳家は芸術家? それとも職人?

Artという言葉には「芸術」という意味と「(特殊な)技能」という意味があります。

書籍翻訳は、まさしくArtではないでしょうか。言いかえれば、翻訳家はArtist(芸術家)であると同時に、Artisan(職人)でなければなりません。

翻訳本は著者の「作品」であるだけでなく、訳者にとっても「作品」です。その証拠に原書が同じでも翻訳者が違えば、表現も文体も異なります。作品が醸す雰囲気まで変わることもあります。
でも、訳稿はまた「商品」でなければなりません。使う人=読者の立場にたった売れるものをつくらなければならないのです。

訳者のセンスやこだわりが表れる「作品性」と、客観性や読みやすさが問われる「商品性」。そのバランスが書籍翻訳のだいご味です。

翻訳家をめざす人のほとんどは本好きです。大好きな作家もいれば、お気に入りの小説もあるでしょう。「この言葉カッコいい!」とか「こういう表現があったか」と念願の書籍を翻訳できたときには、使いたい言い回しがたくさん。きっとArtistとしての感性は全開になります。
ですが、それがひとりよがりな文章につながり、「商品」としては今ひとつとなることも多いのです。

これまで、たくさんの翻訳者さんの訳文をみてきました。
どんな翻訳者の訳文にも必ず「うまいなあ」とか「ステキだなあ」と感心する表現があります。どれもArtistとしての翻訳者の個性がどこかに現れた「作品」です。
でも、まったくストレスなく読めて「商品」としても完成している訳稿をポンとだしてきてくれる翻訳者はなかなかいない……。

そして、いろいろな人の訳文をリライトしてきて、わかったことがあります。
実は書籍翻訳初心者の多くが陥る共通のNG表現や言い回しがたくさんあるということです。そこにさえ気づけばクオリティが飛躍的にアップする――そういった訳文に出会うことはしばしばです。

書籍翻訳会社としての日々の重要な仕事のひとつは、そういった訳文を合格ラインの「商品」にすることかもしれません。
うちのスタッフは全員翻訳者です。もちろん私たちより優秀な翻訳家さんはたくさんいます。

ですが、他人のあらは目につくもの。いろいろな訳文をみればみるほど、意地悪な読者の目になって、欠点を見つけるのが得意になります。
そんな私たちが気づいた「翻訳者が陥りやすいNG表現」を、翻訳セミナーとこのブログで具体的にお伝えしたいと思っています。

でも、ホント、他の翻訳者のリライトをしているからといって、いざ自分で翻訳をすると、客観的にはなかなかなれず、完璧からはほど遠い……(泣)。

それがまた、翻訳の難しいところですね!
(Y)

今日からブログを始めます

みなさま、こんにちは。

この年末で、多言語翻訳会社リベルを立ち上げて丸12年経ちます。

最初のメンバーは、英語、仏語、伊語、西語、韓国語、中国語の翻訳者8人。
仲間が集まることで、書籍翻訳という、本来孤独な仕事をよりダイナミックで面白いものにしたい。それが始まりでした。

とはいえ、みんな、貧乏な翻訳者。資金などほとんどなく、最初の数年は事務所も代表の自宅の仕事部屋でした。

そのうち、多言語の強みでしょうか、「ニッチなものはリベルに……」と思ってくださる出版社も増え、気がつけば、これまで70社以上の出版社さんからお仕事をいただき、翻訳した言語は15言語、作品数は400点にのぼります。

翻訳やリーディングをお願いした翻訳者さんは300人以上でしょうか。

年末の締切ラッシュに追われる今日このごろですが、これまでお世話になった編集者さんや翻訳者さんたちを思い浮かべながら、来年1月から始まる翻訳セミナーについてを中心に、書籍翻訳会社の悲喜こもごも(!)をブログで紹介していけたらと思います。

どうぞ、よろしく!
(Y)