コロナ終息に向けて:各国レポート第四弾(21)モザンビーク

モザンビーク(人口約3000万人)

森本伸菜

①現在(執筆時)の新型コロナウイルスの感染状況について教えてください。

2022年4月5日時点でのコロナ感染者総数は約22万5,000人。死者は2,200人。2020年9月に非常事態宣言から災害事態宣言(State of Public Calamity)に移行して以来、現在も感染拡大が続いているとしてレッドアラートのレベルには変更ありません(*)。

*災害事態宣言は、3段階の警戒レベル(警戒度が高い順に赤、オレンジ、黄)が設定されており、今現在も「警戒レベル赤」である。

②現在の生活のなかで、コロナウイルス関連で規制や制限されていること、義務付けられていること、支援されていることなどはありますか?

現在、夜の外出禁止令は撤廃され、すべての国境も開いています。学校もすでに普通に再開しています。長く禁止されていたバーの営業も再開され、営業時間も今では23時までになりました。私のいるトーフはビーチで有名なところです。2020年には閉鎖されていたそのビーチも、昨年6月には「黙って歩くだけ」が許可され、次に「16時まで遊べる」ようになり、今は「18時まで遊べる」ようになりました。ただし、ビーチでの飲酒は今でも禁止です。

屋内、または屋外でも人が多く集まる市場などではまだマスク着用が義務づけられていますが、マスクをしている人はどんどん減っています。なお、政府からの支援は、以前にもお伝えしたように何もありません。

パーティができるようになりました

③ワクチン接種については、どのような現状ですか?

現在のワクチン接種率(必要接種完了)は、国民の43%と公表されています。ただし、これは2回接種したとして計算されているので、1回だけの人もいるので、人数をみればもっと高い数字になると思います。ワクチンは海外から寄付されたもので、そのメーカーは中国製が数種、そのほかはアストラゼネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどです。やはり中国製のものが一番多いと思います。

一般の人は当初はなんとなくワクチンに対して拒否ムードでしたが、政府の強い推奨によって時間とともに抵抗感がかなりなくなったように見えます。とは言ってもワクチン自体の絶対数が足りないので、全員が打てる状況ではありません。

私たち家族も本来は無料のはずの中国製のシノバックを有料で2回打ちました。その後、2021年11月末に息子のパスポートを取るために南アフリカに出国した際、ブースターとしてファイザー製のワクチンを打ちました。ファイザーでは副反応が出て、熱、倦怠感がありながらも、経営しているレストランのための食材集めをしておりました。そしてモザンビークに戻るためにコロナのテストをしたところ陽性となり、出国できなくなり、滞在を2週間近く伸ばしました。ブースターの副反応と思っていたのは、コロナ感染の症状だったようです。

下校風景

④近況や思い、今後の見通しなど、ご自由にお書きください。

現在もレッドアラートのレベルであることに変わりないですが、私たちの周りではもう、コロナは深刻な問題ではないとの認識が大きく広がっています。うちのレストラン・スタッフ12人のうち半数以上が、昨年12月から今年の1月にかけてコロナに罹りました。特に検査をしたわけではありませんが、症状からコロナだと確信しています。皆、症状も軽く終わりました。

今の時期は海外からの観光客が少ない時期ですが、それでも過去2年の同時期に比べ、外国人観光客は確実に増えているように見えます。皆、今年はコロナ以前の状況近くに戻るだろうと期待しています。友人たちは母国への帰省を含め、海外旅行の計画を立て始めています。


森本伸菜(もりもと・のびな):モザンビーク・トーフで日本食レストラン「すみバー・アンド・キッチン」を南アフリカ人の夫と経営。現地の子どものためのコミュニティなどの活動に深く関わっている