今月の新刊8冊目(2017年9月)

germany 『ローダンNEO 3 テレポーター』

世界最長のスペースオペラ〈宇宙英雄ローダン〉シリーズの新プロジェクト、〈ローダンNEO〉の第3巻。

早川書房刊

早川書房刊

ペリー・ローダンはゴビ砂漠に独立都市テラニアの建設を開始します。しかし、アルコン人クレストの病状は《スターダスト》内の設備では治療できないほど悪化しており、一刻の猶予も許されない状態です。クレストを地球の医者に診せる必要があるものの、依然として中国軍に包囲されているため、エネルギーシールドから出ることもままならず……。

はたしてクレストの命を救うことはできるのか、緊迫した状況が続きますが、その中にも笑いを誘うユーモラスなシーンや、SFファンなら思わずニヤリとしてしまう場面があり、今作も読者の心を掴んで離さない展開になっています。

また、第1巻『スターダスト』に出てきた特殊能力を持つ少年が再登場します。自身の能力を大きく開花させた彼は、この力を発揮して大活躍。ローダンの物語と同時並行で進むこちらのストーリーも面白い! 特に、冒頭で少年が登場するシーンにはインパクトがあり、読み始めから作品の世界に一気に引き込まれます。

ストーリーテリングの巧みさに乗せられてページを繰る手が止まらない、そんな作品です。

(I)

今月の新刊7冊目(2017年9月)

united states of america 『ゴッホの耳 天才画家最大の謎』

8月26日から、札幌の北海道立近代美術館を皮切りに、ファン・ゴッホ美術館国際共同プロジェクト『ゴッホ展――巡りゆく日本の夢』が開かれています。その後、東京では10月24日から東京都美術館で、京都では2018年1月20日から京都国立近代美術館で巡回展示される予定です。

早川書房刊

早川書房刊

1888年12月、南フランスのアルルで、画家のフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-90)はみずからの耳を切り落としました。ファン・ゴッホはなぜ、このような衝撃的な事件を引き起こしたのでしょうか。

耳を贈られた謎の女性「ラシェル」とは何者なのか? 精神科病院入院のいきさつは?……

イギリス生まれの作家で、南フランスに移住したバーナデット・マーフィーが、アルル時代のファン・ゴッホを徹底的に調べあげて執筆した、渾身のノンフィクション。新発見の資料を通して、ファン・ゴッホが生きた世界が見えてきます。

BBC RADIO 4で「BOOK OF THE WEEK」に選ばれ、2016年には本書に基づいてドキュメンタリー番組も制作されています。

ゴッホ展の前に、あるいはゴッホ展を見たあとに、ぜひ本書のページを繰ってみてください。

(S)

今月の新刊6冊目(2017年9月)

united states of america 『カテゴリーキング――Airbnb、Google、Uberはなぜ世界のトップに立てたのか』

多くのスタートアップ企業が淘汰され消えていくなかで、画期的なイノベーションを実現して大成功を収める会社の違いはどこにあるのか?

集英社刊

集英社刊

シリコンバレーの気鋭のコンサルタント集団「プレイ・ビガー」の3人が、「カテゴリー」というキーワードをもとに、新たな成功戦略を提唱する一冊です。

Facebook、Google、Salesforce.com、Uber、VMwate、Netflix、IKEA、Birds Eye、5-hour ENERGYやPixarは共通して、製品やサービスの新たなカテゴリーを創造し、発展させ、市場を支配し続けてきました。

新しいカテゴリーを打ち立て、「カテゴリーキング」になるにはどうすればいいのか。その方法を伝授します。

(S)