新刊紹介(ノンフィクション 2)

今回は、ノンフィクションその2です。

「ノンフィクション」としてひとつにまとめていいのかと思うほど、
幅広い8冊です。

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*上段 左から右へ
おしゃべりな腸
実は、体調だけでなく心の調子も腸次第。「脳よりも賢い」と言われるこの器官について、ドイツの研究者が最新の研究結果を交えてわかりやすくユーモアたっぷりに解説。

成功する人は、2時間しか働かない:結果を出すための脳と身体のピークのつくり方
仕事で効率的に結果を出すためには、1日のうちに「ベストな2時間」をつくることが大切だった! 最新の脳科学と心理学にもとづき、ベストな2時間をつくりだす5つの方法を紹介。

動物たちの武器 闘いは進化する
ヘラジカ、カブトムシ、シオマネキなど、なぜ体に不相応なほど大きな「武器」をもった動物がいるのか。そして、動物の武器と人間の武器の進化の類似点とは……? 豊富な写真やイラストとともに進化の謎に迫る。

なぜネット社会ほど権力の暴走を招くのか
民主主義の根幹といえるメディアは、今、世界的に弱体化している。メディアを救うにはどうしたらいいか……。トマ・ピケティの妻で経済学者のジュリア・カジェが斬新な解決策を提案する。

*下段 左から右へ
カジノ産業の本質 社会経済的コストと可能性の分析
カジノ先進国であるアメリカの統計データや資料を徹底分析。カジノ産業が社会経済に与えるコストとベネフィットを探る。

イスラム国 謎の組織構造に迫る
フランスの国際コンサルタントが、謎の多いISILの組織構造と指揮系統を現地情報をもとに分析。今後の情勢を予測する。

リーン・スタートアップを駆使する企業 急成長する新規事業の見つけ方・育て方
ベンチャー企業の経営指南書として大ヒットした『リーン・スタートアップ』。15社の事例をもとに、リーン・スタートアップの実践方法を解説。

国際指名手配 私はプーチンに追われている
ロシアで投資ファンド会社を経営していたアメリカ人ビジネスマンの著者は、ロシア企業の不正に気づいて調査・告発を続けた結果、プーチンの怒りを買い……。さまざまな陰謀に直面してきた著者の、命がけの闘いの記録。

(N)

新刊紹介(ノンフィクション 1)

次は、ノンフィクション15冊を2回に分けて紹介します。
1回めの今日は、こちら。

150729_1 *上段 左から右へ
病院は劇場だ――生と死を見つめた研修医の七日間
フランスの研修医が書いた大人気ブログを書籍化。軽快な文章で描かれる、笑えて泣ける“ノンフィクション・ノベル”。

ロミオと呼ばれたオオカミ
アラスカの街に住み着いた一頭のオオカミ。人や犬とのふれあいを求めるこのオオカミはロミオと名付けられ、多くの人に愛されるが……。壮大な自然を舞台に描かれる傑作ノンフィクション。

食べる世界地図
世界39の国と地域の料理を紹介する、読むだけでお腹の鳴るエッセイ。料理の背景にある文化と歴史も興味深い。各地域のレシピも掲載。

*下段 左から右へ
プラダ 選ばれる理由
それまでのファッション業界の常識を破り、トップブランドを創出したミウッチャ・プラダ&パトリッツィオ・プラダの夫婦の物語。

#GIRLBOSS 万引きやゴミあさりをしていたギャルがたった8年で100億円企業を作り上げた話
年商1億ドルを超えるオンラインショップ「ナスティ・ギャル」の創始者でアメリカン・ギャルのカリスマ、ソフィア・アモルーソの自伝。不良少女が成功をつかみとるまでの軌跡。

世界“笑いのツボ”探し
「笑いのグローバル・スタンダード」を求めて、大学教授とジャーナリストが世界中を大冒険! 「笑いの街」大阪にも訪れる。はたして日本のお笑い番組は、世界でも通用するのか?

ウイスキーの歴史
「食の図書館」シリーズ。「ウイスキーは酒であると同時に、政治であり、経済であり、文化である」。“命の水”ウイスキーの造り方や歴史を描く。

(N)

新刊紹介(フィクション)

ご無沙汰しております。
厳しい暑さがつづきますが、お元気でお過ごしでしょうか。

痛いほどの日差しにうんざりする日もありますが、
通勤電車に夏休みの子どもたちの元気な姿があると
つられて少しうれしくなります。

さて、そんな夏休みスペシャル!で、

弊社がかかわった書籍のうち、
今年の2月から7月までに刊行された36冊を
ジャンルごとにご紹介いたします。

まずはフィクション書籍7冊を紹介します。

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*上段
情熱のシーラ』上・中・下
NHK総合テレビで放映中(毎週日曜午後11:00〜)のドラマ『情熱のシーラ』の原作。全世界で400万部以上を売り上げた歴史大河小説。第二次世界大戦時のスペイン、モロッコ、ポルトガルを舞台に、天才的な裁縫の腕をもつお針子シーラの数奇な運命を描く。

情熱のシーラ ドラマガイド
ドラマ『情熱のシーラ』の写真満載のガイド本です。詳しいストーリー紹介もあり、ドラマにはまっている方はもちろん、これから見始めようという方にもぴったり。

*下段 左から右へ
ブエノスアイレスに消えた
スペイン語圏を席巻したアルゼンチン発の傑作ミステリ。建築家ファビアンの娘モイラが突然失踪。警察の捜索が遅々として進まないことに痺れを切らしたファビアンは、自ら捜索に乗りだすが……。

六人目の少女
2013年に刊行されたイタリアの傑作サイコサスペンスが文庫版で登場。5人の少女が誘拐され、森で6本の左腕が発見される。6人目の被害者とは……?

バタフライ・エフェクト
スウェーデン・ミステリ界の女王、アルヴテーゲンの最新作。小さな出来事がやがて人生の歯車を狂わせる皮肉、現代の闇、そしてほのかな希望を描く濃密な人間ドラマ。

(N)

“ノンフィクション編”

”リベル書籍翻訳セミナー2015 ノンフィクション編”の申込受付を開始しました。

今回もまた特別講師として、ノンフィクション翻訳本の出版社の編集者、第一線でご活躍の翻訳家、そして版権エージェントの担当者にご登壇いただきます。「出版の現場から」の回では、毎回2 社の編集者さんに対話形式でお話しいただきます。「翻訳の現場から」では、各翻訳家の方に体験談や現場でのエピソードをお聞きするとともに、訳例などを挙げながら具体的にアドバイスしていただく予定です。

詳しくは弊社ホームページをご覧ください→ http://liber-ltd.com/

定員になり次第締め切りますので、ご興味ある方はお早めにお申し込みください。

お問い合わせ→ CONTACT

きっと役立ちます(第8回セミナー)

1月に始まった「リベル書籍翻訳セミナー2015 フィクション編」も残すところあと1回。

前回は、イタリア語翻訳家の関口栄子さん、スペイン語・英語翻訳家の宮崎真紀さんにご登壇いただき、デビューのきっかけ、子育て中の苦労話、書籍翻訳という仕事の魅力、多言語翻訳の特徴などについて、本音で語っていただきました。
多言語の方はもとより、英語の翻訳家をめざしている受講者の方々からも「勇気づけられました」「共感しました」という声がたくさん集まりました。

さて最終回は、リベルスタッフが講師を務め、翻訳・トライアル・リーディングの実践的なアドバイスをいたします。

まずは、リーディングについての続編です。

そのあとは「原稿作成のコツ」

送られてきた原書には書き込みをしていい?
原稿は横書き? 縦書き?
数字は漢数字? 算用数字?
訳注はどこに入れたらいい?
などなど……
原稿作成時の具体的な注意事項をまとめてお話しします。
こういうふうにしてくれると出版社や翻訳会社は助かる、
こんなふうだと嫌がられる、
といった具体的なポイントもお知らせしましょう。

続いては「書籍翻訳者の資質」

毎日たくさんの原稿を見ていると、
書籍翻訳に必要不可欠な要素は何かを痛感し、
翻訳者にはいくつかのタイプがあることがわかります。
自分に欠けているのはどの要素?
自分はどのタイプの翻訳者?
それを自覚するだけでも、訳文を客観的に見られるようになり、
翻訳のクオリティが高まります。

そして「トライアルで選ばれるための決め手」

どういう訳文は落とされる?
最後のひとりになる決め手は何?
選ぶ側はどこを見ているのかを説明し、
さらに、以前このブログでも紹介した「不要な言葉」など、
翻訳者が使いたがるNG表現を挙げてみます。

リベル総力を挙げての実践的アドバイス。
次に翻訳やトライアルの機会があったとき、きっとお役に立つと思います!

(Y)

女性そして多言語(第7回セミナー)

第6回セミナーは、文芸翻訳家の越前敏弥さんが主に「翻訳家の心得」についてお話くださいました。
とても深いご指摘が多く、我々スタッフ一同も思わず居住まいを正したくなりました。

さて、明日の第7回は、イタリア語翻訳家の関口英子さんと、スペイン語・英語翻訳家の宮崎真紀さんにご登場いただきます。

関口英子さんは、児童書、文芸、ノンフィクション、映画字幕と幅広くイタリア語翻訳を手がけていらっしゃいます。光文社古典新訳の訳書も何冊かおもちで、昨年11月には第一回須賀敦子翻訳賞を受賞されました。

月を見つけたチャウラ関口さんとは、リベル設立当時に知り合いました。
まだ会社の体もなしていない頃でしたが、多言語の翻訳者が集まった翻訳会社というコンセプトにとても興味をもってくださいました。
これまで弊社から直接翻訳を依頼はしていませんが、私が児童書を訳すときにアドバイスをいただいたり、最近ではイタリア語の翻訳者さんを紹介していただいたり、いろいろな場面でお世話になってきました。
訳書の素晴らしさはもとより、お人柄やお話しぶりから、一作一作を実に深く丁寧に翻訳されているのだろうなあといつも思います。私が尊敬する翻訳家さんのひとりです。

一方の宮崎真紀さんは、スペイン語・英語の翻訳家としてたくさんの訳書をお持ちです(アマゾンで検索しただけでも60~70点)。
弊社では、2005年に『海を飛ぶ夢』という映画の原作本の翻訳をお願いして以来、スペイン語の文芸、ミステリー、ノンフィクション、さらには英語の文芸、ノンフィクションなどを20点以上依頼してきました(いまも、緊急出版といえる大作をお願いしていて、睡眠不足の毎日なのではないかと思います……)

ネルーダ事件

歴史を背景とした重厚なミステリーなどを宮崎さんが訳されると、ゲラを読んでいても、思わず読者としてその世界に引き込まれ、夢中になります。そして、同じ翻訳者として「うまいなあ~」とうなってしまうことしきりです。

そんなお二人にセミナー講師をお願いした理由は、英語以外の書籍翻訳家の現状を知りたかったことと、もうひとつは、第一線でご活躍の「女性」翻訳家のお話をうかがいたかったからです。

弊社に登録している翻訳者も圧倒的に女性が多く、今回のセミナーの受講者も8割以上が女性です。

先日、翻訳関連のある記事の中で書かせていただきましたが、翻訳という仕事は性別・年齢・キャリアが問われず、出来上がった仕事のクオリティで評価されるというところがひとつの魅力です。
とはいえ、女性の場合、結婚・出産・子育てなどのために仕事を中断せざるをえない時期があったり、翻訳時間がなかなかとれずにせっかく依頼された仕事も断らなければならないといった状況になることも多いのではないでしょうか。
お二人からは、そうした制約の中でどのように仕事を続けていらしたのかといったお話も聞けるではないかと期待しています。

僭越ながら、同じく英語以外の翻訳者でもある私が司会を務めさせていただきます。
いろいろな言語の女性翻訳者たちの本音トークをお楽しみに!

(Y)

憧れ(第6回セミナー)

早いもので「リベル書籍翻訳セミナー フィクション編」もあと3回です。

前回は、フリー編集者の小都一郎さんが、翻訳本の編集の現場について、また光文社古典新訳文庫の編集の奥深さなどについてお話ししてくださり、セミナー終了後も受講者から多数の追加質問が寄せられました。

さて、明日は第6回、講師は文芸翻訳家・越前敏弥さんです。

ちょうど一年前、弊社が翻訳を手がけたスウェーデンミステリー『三秒間の死角』が、翻訳ミステリー大賞シンジケートの2013年度『翻訳ミステリー読者賞』を受賞しました。

三秒間の死角訳者のヘレンハルメさんがスウェーデン在住のため、弊社が代理で授賞式に出席。
このとき、シンジケートの事務局を務めていらっしゃった越前さんと初めてお会いしました。

そして、昨年11月。
今度は越前さんが主催されている翻訳百景ミニイベントのゲストにヘレンハルメさんが呼ばれ、彼女の書籍翻訳デビューからずっといっしょに仕事をしてきた翻訳会社の代表として私も彼女の傍らで少しお話しさせていただきました。

越前さんといえば、あの『ダ・ヴィンチ・コード』の訳者。
その後も話題作をたくさん訳され、日本のミステリー翻訳家のまさしくトップランナー。
多くの翻訳者の憧れの存在です。

ダ・ヴィンチ・コードどんな方かな~と常日頃思っていたのですが、
お会いしてみると、
昭和の文士を思わせる風貌に貫禄ある落ち着いたお話しぶり。
う~む、イメージどおりの「大物」オーラ……

翻訳家としてもさぞやお忙しいと思うのですが、
翻訳ミステリー大賞シンジケートでは翻訳家と読者をつなぎ、
翻訳講座の講師を務められたり、翻訳イベントを主催されたりと、
後進の育成にも時間とエネルギーを費やしていらっしゃると知りました。

ああ、うちのセミナーでも講師としてお話しいただけないかなあ……
と恐る恐る声をかけたら、なんと快諾してくださったのです!

前回のセミナーにもいらしていただき、
翻訳には英語力と日本語力のどちらが重要か?
原書、翻訳書、日本人作者の本のうち、どれをたくさん読むべきだと思いますか?
といった想定質問に答えるという形で受講者たちに事前に「心得」を配ってくださった越前さん。

明日は、
「翻訳者は何ができるか、何をすべきか」10か条
を中心に、
名翻訳家ならではの貴重なお話が聞けるのではないかと思います。

スタッフ一同も楽しみにしています!

(Y)

情熱(第5回セミナー)

全8回の書籍翻訳セミナー(フィクション編)も前回で第4回目を終えました。
前半は山本知子がリーディングのコツについてお話しし、
後半はイングリッシュ・エージェンシーの服部航平さんが翻訳版権エージェントからみた翻訳出版について語ってくださいました。
後半はとくに、エージェントさんから直接お話をうかがうという貴重な機会となりました。

明日は第5回。
フリーランス編集者の小都一郎さんが「編集者と翻訳者」と題してお話ししてくださいます。

小都さんは、早川書房でおもにノンフィクション書籍の編集を100冊以上手がけられ、その後、フリーランス編集者として独立。2011年からは光文社翻訳編集部で古典新訳文庫の編集も担当されています。

ノンフィクションからフィクションまでお仕事の幅が広く、これまで数多くの出版社とかかわられてきた小都さん。音楽好きで、子煩悩な小都さん。独特の風貌で、一度お会いしたら忘れられない小都さん……。

そんな小都さんとお話しをしていると、本づくりにかける情熱が並々ならぬことがわかります。
たとえば光文社古典新訳文庫のウェブサイトを訪れてみると、その一端に触れることができます。

「担当編集者が激推しする『すばらしい新世界』のすばらしい世界」
http://www.kotensinyaku.jp/archives/2013/06/006245.html

小都さんが『すばらしい新世界』の編集にかかわられたことを知ったのは、この本の読みどころを書き込んだ「コメンタリー版」を制作して販促用に書店においてもらったと、小都さんご自身がインターネット上で発言されていたことがきっかけでした。
どうしてもそれを見たくなり、書店に出向いて手に取ってみると、それがなんとも「すばらしい」のです。現物をお目にかけられないのが残念ですが、それはもう、編集者の情熱がつまったひとつの作品でした! 一冊の本にここまで力を注ぐ編集者さんがいるのかと、一介の翻訳者として驚いた記憶が今でも鮮明に残っています。

日本翻訳連盟の『日本翻訳ジャーナル』でも、小都さんが書かれた記事を拝読できます。
「翻訳書の編集は『生業』であり『使命』」
http://journal.jtf.jp/column18/id=167

弊社では、『ライス回顧録 ホワイトハウス 激動の2920日』『世界で最もクリエイティブな国デンマークに学ぶ 発想力の鍛え方』『Global Agenda Turning Points 2015』でお仕事をご一緒させていただいています。

ライス回顧録明日のセミナーでは、本づくりにかける小都さんの熱い語りを直接聞くことができると思うと、今から楽しみでなりません。どうぞご期待ください!

(S)

センス(第4回セミナー)

書籍翻訳セミナーの第3回は、河出書房新社の田中優子さんが書籍編集にかける想いを熱く語ってくださいました。
文芸をはじめとするフィクション翻訳のむずかしさも実感でき、アンケートでも「貴重なお話をきけました」という声がとても多かったです。

さて、明日は第4回。

前半は、「リーディングのコツ」と題して、
リーディングの意義やレジュメの書き方、さらに読後感のポイントなどについてお話しします。

そして後半は、イングリッシュエージェンシーの服部さんにご登壇いただきます。

翻訳者にとって、エージェントさんからお話をきく機会はなかなかないもの。
前回のアンケートにも服部さんへの質問がたくさん寄せられていました。

エージェントさんと弊社リベルはまさしく持ちつ持たれつ。
リベルの翻訳者が面白い本を見つけてくる。
その本の版権があいているかどうかをエージェントに調べてもらう。
権利があいていてそのエージェントが扱えるものであれば、
うちでレジュメをつくってエージェントに送る。
そのレジュメでエージェントが出版社に売り込む。
決まれば翻訳がこちらに来る・・・
という仕組みです。

翻訳者が見つけてきて服部さんが動いてくださって決まった作品に、
たとえば『ロシアのマトリョーシカ』があります。

マトリョーシカ世界で初めての本格的マトリョーシカ図鑑。
マトリョーシカの歴史についての記述もしっかりしているし、
何より、写真が豊富で美しい。
眺めているだけでワクワクします。

原書はハードカバーの大判で、表紙も全面マトリョーシカが並んだ写真なのですが、日本語版は版元のスペースシャワーネットワークさんがとってもおしゃれな本に仕上げてくださいました。
この作品ならこの出版社に・・・という服部さんのプロのセンスのおかげです。

服部さんは以前、ユニエージェンシー、その後はアウルズエージェンシーにもいらっしゃいました。
知り合ったのは、アウルズにいらした頃です。当時すでに、映画や音楽関係本に強いエージェントさんとして業界でも有名でした。
お会いしてみると、第一印象は寡黙なハンサムボーイ(笑)。
むむ、とっつきにくいかな……と思ったのですが、
話してみるととってもフレンドリー!

実際、いろいろな出版社の編集者さんともすぐに友達のように仲良くなられ、いっしょに食事やイベントにいらっしゃることもしばしばのよう。
そのオープンマインドは翻訳者や翻訳会社に対しても同じです。
かくして、イングリッシュさんとうちのオフィスが近いこともあり、
私もときどき、友達感覚で飲みながら情報交換させていただいています。

そんな服部さんから、エージェンシー各社について、各出版社について、そして翻訳出版の現状についてどんなお話がきけるのか、とても楽しみです!

(Y)

ご縁(第3回セミナー)

おかげさまで、第2回書籍翻訳セミナーも好評のうちに終わりました。

日頃、翻訳者が出版社にぜひきいてみたいと思っている質問の数々。
早川書房の山口晶さんが2時間にわたり、本音で答えてくださいました。

そして、明日は第3回。
特別講師は、河出書房新社の編集者、田中優子さんです。

田中さんとは不思議なご縁を感じています。

というのも、
リベルが翻訳をした初めての作品はスペイン語の児童書でした。

私はその前から敏腕編集者として田中さんのお名前を知っていたので、スタッフが発掘してきたその作品のレジュメをお送りしたところ、とても興味を示してくださいました。

残念ながら、決まったのは河出さんではなく他の出版社でしたが、作品を評価するときの田中さんの視点がとても鋭く、別の作品でご一緒できたらなあと思いました。

その後、出版関係のイベント、海外のブックフェア、大使館の催しなどでなぜか田中さんにばったりお会いすることが多く、ひそかに私は「興味をもつポイントが田中さんと一緒なのかも……」などと思っておりました。
(あとから、田中さんは私より何倍もそういうところにいらっしゃる機会が多いからということがわかりましたが(笑))

そういうイベントつながりで、オーストラリアの絵本作家ショーンタンさんを紹介してくださったこともあります。

数年前のこと。
スペイン大使館商務部がスペインの本を日本に紹介する”New Spanish Books”というサイトを立ち上げ、私は第1回の(書籍)選考委員として呼ばれました。選考会場に赴いたところ、そこに田中さんの姿も!

私たち以外の委員は男性だったこともあり、二人でああでもないこうでもないと言いながら楽しく本を選び、発言も私たちが一番多かったような……。

そして昨年、ようやく田中さんと翻訳の仕事でご一緒することができました。
河出さんの書籍はこれまで何冊か翻訳しているのですが、田中さんからは初めての依頼で正直ドキドキでした。

それが、この本です。

ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンの評伝です。ヤンソン生誕100周年の昨年、フィンランドで、この本をオフィシャルブックとして「トーベ・ヤンソン展」が開催され、日本でも同じ展覧会が昨年11月の横浜を皮切りに今年の9月まで全国を回っています。

フィンランド語の原書、でもトーベ・ヤンソンの母語はスウェーデン語。すでにヤンソン関係の作品はたくさん出版されている……など、他の作品より大変な部分もありました。

そんな私たちを引っ張ってくださった編集の手腕はいわずもがな、日々のやりとりのなかで一番感じたのは、田中さんの作品に対する深い思い、「本への情熱」でした。

明日のセミナーでもきっと、書籍編集者としての田中さんの一冊一冊にかける情熱が受講者のみなさんに伝わるのではないかと、今から楽しみです!

(Y)