校正畏るべし

久しぶりに「翻訳者の仕事道具」シリーズです。

書籍翻訳セミナー「フィクション編」でも紹介しましたが、書籍翻訳者として仕事をするにあたって手元に置いておきたい書籍を、これから何回かにわたって紹介していきたいと思います。

まずは、校正紙(ゲラ)の校正作業に欠かせない一冊から。

『校正記号の使い方 第2版――タテ組・ヨコ組・欧文組』
(日本エディタースクール出版部、2007年)

校正記号の使い方

 

版元の説明文には次のように書かれています。
「校正作業に必要な校正記号について、縦組・横組・欧文組のそれぞれに分けて、具体的な例示を出しながら解説した、校正者必携のテキスト。」

「校正者必携」とありますが、書籍翻訳者にも欠かせない一冊です。
弊社のデスクにも常備してあります。

ゲラの赤字入れは、ついつい自己流になってしまいがちなもの。
赤字を確実に反映してもらえるよう、校正の指示は基本から離れないように気をつけたいものです。

論語の「後生畏(おそ)るべし」をもじった有名な警句があります。

校正畏るべし。

思いがけないミスによって重大な問題が生じないよう、ていねいな校正指示を心がけたいと、自戒を込めて思うこのごろです。

(S)

–追記–
校正に関して興味深い読み物が一冊あるのを思い出しました。
高橋輝次  『増補版 誤植読本』(ちくま文庫)
校正をめぐるアンソロジーです。本好きにはたまりません。