コロナ終息に向けて:各国レポート第四弾(3)スウェーデン

スウェーデン(人口約1023万人)

久山葉子

①現在(執筆時)の新型コロナウイルスの感染状況について教えてください。

スウェーデンでは2022年4月から新型コロナ感染症は「一般に危険な病気」の指定から外されたことで、実質上、パンデミック終了宣言が出されました。

日常生活における規制はすでに2月9日の時点でなくなっていて、人々はとっくに元の生活に戻っています。ただその時点ではまだまだオミクロンにかかる人が多かったので規制が完全になくなることに懸念の声もありましたが、その後、新規感染者は順調に減っています。さらには2月末からウクライナ侵攻が始まり、新型コロナのことは忘れられたも同然の状態です。

②現在の生活のなかで、コロナウイルス関連で規制や制限されていること、義務付けられていること、支援されていることなどはありますか?

マスク着用の義務は、いちばん感染がひどかった時期のみで、そのときも「ラッシュ時の公共交通機関内のみ」「店内のみ」と非常に限られていました。現在はコロナ関連の規制はまったくありませんが、ワクチン2回目未接種の12歳以上および3回目未接種の15歳以上に対して「ワクチンを早く打つように」と勧める公共広告は今でも目にします。

③ワクチン接種については、どのような現状ですか?

12歳以上で2回目を受けた人が約85%です。たいていの人は3回目も打ち終わっています。この冬の一時期だけ、大きなイベントではワクチンパスの導入義務があったのですが、その時期はオミクロンが感染拡大していてイベント自体があまり開催されていなかったので、実際にワクチンパスをチェックされることはほぼなかったと思います。スウェーデンでは、それ以外にはワクチン非接種者に圧力をかけるために何かを制限するということは一切ありませんでした。そういう状況にもかかわらず、接種率は悪くないほうだと思います。普段から科学的根拠に基づいて考える教育が徹底していることと、政府への信頼が厚いことによるものだと思います。

④近況や思い、今後の見通しなど、ご自由にお書きください。

第一波の頃は、スウェーデンの緩いコロナ政策が世界中の人々の目を引き、海外では「集団免疫獲得を目指している」という報道をされたほどですが、それを目指していたわけではまったくありませんでした。「医療崩壊を絶対に起こさない範囲内で日常を守る」というスタンスを貫き、ヨーロッパではスウェーデン一国だけが義務教育に当たる学校を休校にはしませんでした。当初は大きな批判を浴びながらも、結果的に「子供は感染を広めない」という科学的根拠に基づいて動いた公衆衛生局と政府への信頼度は国内では非常に高くなりました。パンデミックが終わった今、国の対応には概して満足を感じているという国民が多いと思います。もちろん細かい点ではもっといい対応ができたはずだという意見も否定できませんが。

私が教師をしている高校で2021年12月に撮影、Twitterでバズった動画をご紹介します。これを見ていただいても、誰もマスクをしていなくて普段通りだったのがわかると思います。

https://twitter.com/yokokuyama/status/1466448102081114115


久山葉子(くやま・ようこ):翻訳家、エッセイスト、日本語教師。スウェーデン中部のスンツヴァル在住


コロナ終息に向けて:各国レポート第四弾(2)台湾

台湾(人口約2357万人)

メリー・ジェーン

①現在(執筆時)の新型コロナウイルスの感染状況について教えてください。

コロナが流行りはじめてからすでに2年経ちますが、台湾は一度もコロナに負けたことはなく、これまでの累計感染者数は2万人弱。ラッキーというより、台湾人の警戒心が強いことの結果だと思います。もちろん、2年の間に何度も、いくつかのコミュニティでクラスターが起きそうなこともありましたが、結局すべて無事に乗り越えてきました。

現在、毎日の新規感染者数は10人から50人程度で推移しています。感染者の多くは海外からの労働者とみなされています。国内の感染者が少ないために、海外でよく耳にする「コロナ差別」の状況は、台湾はありませんでした。

②現在の生活のなかで、コロナウイルス関連で規制や制限されていること、義務付けられていること、支援されていることなどはありますか?

台湾では、他の国々と同様、感染拡大予防に関する規制が徐々に緩和されてきています。これまでは、複数人が一緒に写真を撮るときにもマスクの着用が必要でしたが、このルールはつい最近、解除されました。また、新幹線や電車などでの飲食禁止の規制も緩和され、現在は列車内で自由に飲食ができるようになりました。

ただ、規制が緩和されたとはいえ、街の中では今でもほとんどの人が常にマスクをしています。室外でのマスク着用は義務ではなく、違反した場合の罰金もありませんが、みんな、自分や家族のために常にマスクをしているようです。現在は、ジムで運動するときでも、三密の環境でない限りマスクを着用する必要はありません。なんの運動のときでもマスクをつけている私にとっては、マスクを外して運動することには少し違和感を感じています(笑)

また、通勤通学をするときも、ほぼ以前の日常に戻っています。国内の生活はもとに戻りましたが、海外から帰国する人や台湾に入国する外国人の隔離に関する規制は厳しく、2年以上帰国していない人も少なくないようです。

隔離の日数は14日間から10日間に短縮されました。しかし、隔離期間に滞在する建物は政府の規定に満たないといけません(例えば、シャワー付きの個室があること、一戸建てであることなど)。ほとんどの家はこういった規定に満たないため、やはり政府の指定したホテルに泊まることになります。そうすると、約2週間のホテル代や食費、PRC検査代など合わせて15万円以上も自己負担になることもあります。さらに、ホテルでの10日間の隔離を終了したあとに自宅での7日間の待機も必要です。ルールを破った人は罰せられる可能性もあるので、隔離期間中に勝手に家を出る人はほぼいません。

今年の2月には、旧正月で多くの海外在住者が台湾に帰省しましたが、やはり隔離期間中に何度も行われるPCR検査や厳しい隔離制度が煩わしいようで、大変だったという声が多かったです。 また最近、韓国で感染爆発が発生したため、現在では韓国から入国する人はより厳しいルールで管理されています。

③ワクチン接種については、どのような現状ですか?

昨年、台湾は深刻なワクチン不足に直面し、当時は日本を含めた諸外国から、アストラゼネカのワクチンを多く寄付されました。現在、台湾には十分なワクチンがあります。アストラゼネカとモデルナやファイザーなどとを相互接種することによってより効果的になると言われています。また、日本と異なり、2回目と3回目の間隔は6か月ではなく、3か月です。その結果、現在、台湾では3回目の接種率が50%と、日本よりも高いです。

④近況や思い、今後の見通しなど、ご自由にお書きください。

私だけでなく、ほとんどの台湾人が隔離解除を心待ちにしていると思います。現在、東南アジアやヨーロッパの一部の国では、コロナに対する水際対策が解除され、ワクチン接種の証明さえあれば、隔離されずに入国できるようになっています。台湾は狭い島国で観光地が少ないため、多くの台湾人は水際対策の緩和を期待しています。最近、ついに海外旅行が再びできるようになりましたが、帰国する際にはやはり隔離が義務づけられるので、海外旅行をまだ我慢している国民は多いだろうと思います。今年後半には、海外在住の国民が隔離せずに帰国できるよう、また、私たちも再び海外旅行ができるようになることを願っています。

台湾第四弾
現在の台湾市内のようす

メリー・ジェーン:台湾在住のアプリマーケター


コロナ終息に向けて:各国レポート第四弾(1)ドイツ

ドイツ(人口約8302万人)

長谷川圭

①現在(執筆時)の新型コロナウイルスの感染状況について教えてください。

今年(2022年)に入ってから2月半ばまでは小康状態にあったのですが、その後感染者数がまた上昇を始め、3月半ばの時点で連日のように過去最高の新規感染者数を記録しています。ただし、オミクロンが主流なので、重症化するケースはあまり多くありません。

②現在の生活のなかで、コロナウイルス関連で規制や制限されていること、義務付けられていること、支援されていることなどはありますか?

3月20日に全国共通のコロナ関連規制は撤廃され、企業や公共施設における陰性証明・接種証明の提示義務などはなくなりました。病院や介護施設、あるいは公共交通機関では、今後もマスクの着用が義務づけられています。

ただし、感染者数が過去最高を記録している状況での規制撤廃には、さまざまな方向から異論が噴出しています。実際、4月2日までは移行期間ということで国内の各州が自己裁量で規制を続けることが認められているのですが、すべての州が基本的に規制の維持を選んだそうです。それでも政府が全国共通の規制の撤廃に踏み切ったのは、連立政権に参加している自由民主党(FDP)が経済優先の政策を是とし、規制の撤廃に固執したからだと言われています。政府は連立を維持するために、自由民主党のゴリ押しに屈した形になります。

③ワクチン接種については、どのような現状ですか? 

3月20日の時点で人口の58.2%が3回目のワクチン接種を済ませています。2回摂取した人は人口の75.8%です。ファイザー/ビオンテックなどのmRNAワクチンとは性質の違うノババックスのワクチン(組み換えタンパクワクチン)が承認され、摂取が可能となったことで、これまでためらっていた人も接種するはずだと期待されたのですが、実際には接種率はほとんど増えなかったようです。つまり、いまだにワクチンを接種しておらず、かつ持病のない人たちは今後も摂取するつもりがないと考えられ、数字はしばらく前から横ばい状態です。

④近況や思い、今後の見通しなど、ご自由にお書きください。

ワクチンの接種人口がこれ以上増えないこと、重症化が少ないことなどを理由に、出口戦略として規制の撤廃が始まりましたが、感染者数はいまだに増えていますので、状況は予断を許しませんし、不透明でもあります。たとえば、これまで感染者には10日の自主隔離が義務づけられていましたが、4月2日以降どうするかは、これから各州がそれぞれ決めることになります。また、クラスターが発生したときにも、各州がそれぞれの判断で規制を厳しくすることもできます。結局、国内の地域によってできることとできないことが異なってくると考えられ、しばらくのあいだは混乱が続くものと予想されます。


長谷川圭(はせがわ・けい):ドイツ語・英語翻訳家、日本語教師。ドイツ・チューリンゲン州イエナ在住


コロナ終息に向けて:各国レポート「第四弾」を始めます

この各国レポートも、今回で第四弾になります。
第一弾のレポートをアップしたのは、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し、日本でも緊急事態宣言が出されていた2020年5月から6月です。第二弾は、いったん状況が落ち着いたのもつかの間、日本でも第二波が到来し、感染者数が急増していた2020年8月末から10月初旬。第三弾は、ワクチンが普及しつつある一方で、世界中で変異株が幅をきかせていた2021年5月から6月でした。

それから10カ月弱。日本ではいろいろなことがありました。
昨年夏には東京オリンピックが無観客で開催され、秋になると新たな死者数がゼロの日もあり、街なかにかなり活気が戻ってきました。ところが2022年の年明けとともに急激にオミクロン株の感染が拡大、なかなかピークアウトが見えず、感染者数はしばらく高止まりが続きました。それでも、ここに来てようやく、多くの都道府県で出されていた「まん延防止等重点措置」が解除されました。東京ではいまちょうど桜が満開です。観光地もこれからどんどん賑やかになりそうです。

では、世界各国はどうなのでしょうか? 最近では、ほとんどの人がマスクを着けずにショッピングやスポーツ観戦などを楽しんでいる海外の映像を見かけることが多くなりました。そして現在、ロシアのウクライナ侵攻とそのさまざまな影響が世界を揺るがしています。国や地域によっては、コロナ感染予防に気を配る余裕もないほど切羽つまった状況に追い込まれている方々がたくさんいます。日々のニュースでもこの話題でもちきりです。

一方で、この3月にむしろ新型コロナウイルス感染者数のピークを迎えた国の話も耳にしますし、日本でも、東京の新規感染者数は、本日2022年3月30日現在1万人弱と、1週間前より3000人も増えています。そういう数字を見ると、私たちがたんにコロナの状況に慣れてしまっているだけなのかもしれないとも思います。

はたして、世界では、ほんとうにコロナ問題が終息に向かっているのでしょうか?
そんな思いを抱きながら、各国レポート第四弾を始めます。

今回も第三弾までの執筆者の方々にレポートをお願いしました。
(あくまで執筆者の個人的なレポートです。執筆していただいた日とブログへのアップ日には何日間かのタイムラグがありますので、その間に状況が変わっていることがある点もご承知ください)

以下の質問に答えていただく形式です。
1 現在(執筆時)の新型コロナウイルスの感染状況について教えてください。
2 現在の生活のなかで、コロナウイルス関連で規制や制限されていること、義務付けられていること、支援されていることなどはありますか?(マスク着用、飲食店の営業制限、学校のリモート授業など)
3 ワクチン接種については、どのような現状ですか?(ワクチン接種「3回目」について、住民の受け取り方や対応、感想など)
4 近況や思い、今後の見通しなど、ご自由にお書きください。

これから、第四弾の各国レポートを順次アップしていきます。
ひとりでも多くの方にお読みいただけることを願っております。

株式会社リベル

コロナ終息に向けて:各国レポート第三弾を終えて

「韓国」からのレポートをもちまして、第三弾も終わりです。

昨年5、6月に第一弾、さらに8月末から10月頭にかけて第二弾と続けてきたこのレポート、第三弾も同じ執筆者のみなさまにお願いしたところ、多くの方が引き受けてくださいました。

なかには、現在は日本に一時帰国されている方、あるいは今回は時間的に難しいという方もいらっしゃいましたが、それでも情報を集めてレポートしてくださったり、代わりに知り合いの方を紹介してくださったり……。

おかげさまで、第三弾も第二弾までとまったく同じ26か国27地域からのレポートをお届けすることができました。

ご協力くださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。

変異株が猛威を振るい、新規感染者がほぼゼロの日が続いてコロナ禍が終息したかに見えた国でもまた状況が悪化し、一方でワクチン接種が始まり……と、新型コロナウイルスをめぐる状況は、昨年末以降も、世界各国で変化がありました。

ロックダウンがようやく解除されて店舗や学校が以前のように再開している地域もあれば、いままさに感染のピークにあると思われる国、国内の経済格差の問題がますます深刻化している国もあります。

ワクチンについても国によってさまざまなようです。

そういった違いがある反面、今回のレポートを読み、コロナ禍はまだ終息していないこと、今後もけっして油断できないこと、各国政府がワクチン接種を進めていること、それらは世界共通だということもよくわかりました。

ここ1週間ぐらい、今回のレポートを開始したころにはさほど話題になっていなかったインド型変異株(デルタ株)やデルタプラスによって、いったん落ち着いていた感染者数が急増している国のニュースをよく耳にします。

日本も、多くの都市で緊急事態宣言が解除されたり、ワクチン接種が加速していたりするものの、オリンピックを目前に控えている東京でまた感染者数が上昇し、まったく予断を許さない状況です。

それでも、今回のレポートを通じて、コロナ禍での不安や規制や窮屈さのなかにありながら、今後に希望を抱きながら生き生きと日常を送っていこうとする各国の人々の様子や姿勢が伝わってきたのではないでしょうか。

世界じゅうの人たちが希望とともに闘いつづければ、必ず「コロナ」に打ち勝つことができる――そう信じながら、次回こそ終息レポートをお送りしたいと思っています。

株式会社リベル

コロナ終息に向けて:各国レポート第三弾(27)韓国

south korea

韓国(人口約5127万人)

小佐野百合香

①新型コロナウイルス感染状況について、いまはどうなっていますか?

2020年末は一日の新規感染者が1,000人を超える非常事態だったのですが、それ以降は一日300~600人を前後している状況です。そのうち50%以上が首都であるソウルとその周辺地域である京畿道(キョンギド)に集中しています。

また去年8月のソウルにあるサラン第一教会を中心に起こったような集団感染は起きていませんが、会社や飲食店などでの小規模な集団感染が続いています。

②ワクチン接種については、どのように進められ、現在(執筆時点)、どのような状況ですか?

韓国では2021年の2月末からワクチンの接種を開始しました。 当初は韓国政府がワクチン確保に後れを取っているというような批判が国内でありましたが、接種が始まってからは順調に進んでいるという印象です。

韓国には「住民登録番号」という国民に番号を割り当てる制度があるため国民の把握と本人認証が容易であること、あらゆる面でオンライン化が進んでいるためスムーズな予約が可能であることが順調な接種の要因だと思われます。

全ての人がホームページからの予約が可能ですが、デジタル機器に不慣れな高齢者の場合、コロナ予約専用のコールセンターからの予約も可能です。予約が済めば、決められた時間に病院に行き接種を受けるだけです。友人の母親がワクチン接種を受けた時は待機時間もほとんどなくすぐに終わったそうです。

また、ワクチンは1瓶あたり6人程度の接種が可能ですが、予約をキャンセルする人が出るとその分のワクチンを廃棄することになってしまいます。そのような「残余ワクチン」を照会することのできるシステムが導入され、韓国の無料通話メッセンジャーアプリのネイバーやカカオトークを通して予約すると接種を受けることができるようになっています。

現在(6月20日時点)、韓国では1500万人がワクチンの1回目の接種を済ませました。これは韓国の全体人口の29.2%に当たります。2回目の接種まで済ませた人は400万人で7.9%となっています。

7月からは幼稚園と小中学校の教職員、大学入試を控えた高校3年生とその教師の接種が開始し、26日からは50代、8月中旬からは優先接種対象を限定することなく18歳~49歳のワクチン接種が開始します。現在の接種のスムーズさから見て、予定通り進むだろうと思われます。

③現在(執筆時点)、国や自治体からの規制や制限、援助がありますか?

ワクチン接種の進行に伴い、7月からはソーシャルディスタンスの規制が改変されることになりました。ソーシャルディスタンス規制(or 防疫レベル)が5段階から4段階に引き下げられ、現在のように新規感染者が500人以上1,000人以下の場合、クラブや飲食店などは6人まで集合可能に変更され(改変前は4人まで)、7月15日からは8人までに緩和されます。

また、営業時間も夜10時までと制限されていたのが夜12時までとなりました。人数制限と営業時間の制限により大きなダメージを受けていた自営業者からの不満が高まっていたため、それに対する配慮もあると思われます。

12月から始まったマスクの義務化は変わらず、違反すると10万ウォン(1万円)以下の罰金が義務付けられています。

また国内での移動制限はありませんが、海外から入国する際には「陰性証明書」の提出と2週間の隔離が義務付けられており、違反すると罰金が科されます。

感染者に対する支援に関しては、先日、韓国人の友人がコロナに感染したのですが、治療施設と食事が2週間無料で提供されたそうです。また、感染者との濃厚接触者になった場合も2週間の隔離が義務付けられているのですが、水やインスタント食品などが家に届けられることになっています。

④変異株の広がり、もしくはワクチン接種普及の前後で、日常生活や街の様子など変わったことがあれば教えてください。

周りでも接種を済ませた知り合いがかなり増えました。接種が順調に進んでいることと、規制が緩和されたことで、少し先が見えてきたような雰囲気になっています。

ワクチン接種に伴い、今年の2学期からは幼稚園生から大学生まで対面授業が開始されるとの発表がありました。1年半のオンライン授業では授業の質も落ち、友人との交流が減ってしまうため、精神的につらい面もあったので嬉しい知らせとなりました。

しかし、ワクチン接種が進んでいるといっても感染の可能性が全くないわけではなく、韓国の保守団体や極右キリスト教団体がワクチン接種を否定するようなニュースを流しており、保守的な高齢者がワクチン接種を拒否しています。

また、3か月以上前のことですが、去年8月に大規模な集会を開いて集団感染を引き起こした団体が、3.1独立運動を記念する「3.1節」の時にも大規模集会を開こうとしたことが問題になりました。

⑤近況について、ご自由にお書きください。

私は去年の2月に日本に一時帰国して以来、1年以上帰国できていない状況です。帰国したい思いはありますが、陰性証明書の発行に数万円かかってしまうことと、夏休みの2週間を隔離生活に費やすのが嫌だったため帰国せずに韓国で過ごすことに決めました。

私も今年中には韓国でワクチンを接種できそうなので、年末に日本に帰国しようと思っています。残念ではありますが、コロナ禍でも韓国でできる楽しみを見つけて過ごそうと思います。


小佐野百合香(こさの・ゆりか):ソウル市立大学に在学中。韓国史学科 3年生。


コロナ終息に向けて:各国レポート第三弾(26)ルワンダ

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ルワンダ(人口約1230万人)

吉田香奈子

①新型コロナウイルス感染状況について、いまはどうなっていますか?

6月19日現在、新型コロナウイルス感染者数は累計30,517人、累計死者数が379人という低い水準で短期的な増減のサイクルを繰り返しています。医療現場も落ち着いており、大きな混乱はみられません。

今のところ、変異株の拡大についても公には発表されていません。感染の中心地は昨年末から今年初めまでは首都キガリだったのですが、今年の5月末には、南部のブルンジとの国境地帯や西部のコンゴ民主共和国との国境地帯に移ってきていました。

しかし、感染の沈静化に伴って移動規制や集会の規制が緩和されるにつれ、6月に入ってから再び首都キガリでの感染が拡大しつつあります。

②ワクチン接種については、どのように進められ、現在(執筆時点)、どのような状況ですか?

海外からワクチンの提供を受け、6月20日現在、約40万人が接種しました。まずは、高齢者、医療関係者、政府関係者など、特に緊急に接種が必要な約30万人が接種し、このグループが2回接種を受けた後に、他の優先順位が高い人々も接種対象となっています。

接種対象者は政府が指定しています。ワクチンに対する拒否的な世論は少なく、概ね平静な環境でワクチン接種が進んでいます。

③現在(執筆時点)、国や自治体からの規制や制限、援助がありますか?

2020年3月から2週間おきにルワンダ内閣府から国民に対して、感染予防措置に関する通達が出されつづけています。深夜の移動禁止、公共の交通機関(ミニバス)の座席占有率、一般の企業や会社における従業員出席率、集会の規模、飲食店の営業についての規制で、感染状況によって随時制限内容が変わります。

マスクは公共の場では着用することが義務付けられています。また、入国・出国については、入国前のPCR検査の陰性証明書を提示することと、ルワンダ到着後にもPCR検査を受け、24時間以内に検査結果が出るまでは指定のホテルに滞在することが義務付けられています。

④変異株の広がり、もしくはワクチン接種普及の前後で、日常生活や街の様子など変わったことがあれば教えてください。

昨年の6月頃から実質的に飲食店の営業が解禁され、公共の交通機関も営業を再開し、学校も再開しているため、市民の生活は以前のような活気を取り戻しつつあります。

ルワンダ人はもとより、外国人の同僚や、国際機関で働いている知人も事務所に出勤しており、かつてのように仕事の合間やランチの時におしゃべりに興じて大笑いすることはありませんが、仕事で、フェース・ツー・フェースで会話できる有り難さをかみしめているようです。

⑤近況について、ご自由にお書きください。

コロナ以前、ルワンダ人の同僚には、職場で長時間働くことを尊ぶ傾向が見受けられましたが、今では在宅勤務にも慣れてきつつあるようにみえます。

日本人のように相手の顔色を伺いながらコミュニケーションを取ることに慣れていたルワンダ人ですが、コロナ禍が短い期間で沈静化するとは思いませんので、長い目でみると、コロナはルワンダ人のコミュニケーションのあり方まで変えていくかもしれないと思っています。


吉田香奈子(よしだ・かなこ):主婦。夫は国際NPOに勤務している。


コロナ終息に向けて:各国レポート第三弾(25)マレーシア

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マレーシア(人口約3200万人)

橋本ひろみ

①新型コロナウイルス感染状況について、いまはどうなっていますか?

2021年6月現在、マレーシアは新型コロナウイルス感染症の第三波が到来し、完全ロックダウン(社会・経済部門の完全封鎖)中で、私たちは非常に緊迫した状況の中で生活しています。

6月10日の時点での1日の新規感染者数は5,671人で、重症患者数は911人、そのうち呼吸器装着者は462人です。1日の死亡者数は73人で、累計3,684人となりました。以下のグラフは2021年6月10日時点におけるここ10か月間の1日の新規感染者数の推移です。

マレーシア3-1

マレーシアでは、ラマダンという1か月間の断食月の直後に、ラマダン明けを祝うイスラム教徒最大の祝祭であるハリラヤがあります。帰省したり、家族や親族、友人と集まって食事をしたりして祝います。今年は5月13日と14日で、もちろん様々な制限があったのですが、この祝祭を原因とするクラスターが多く発生し、5月28日に新規感染者数がついに8,000人を超え、陽性患者数が7万人を突破という事態に陥りました。

重症患者の受け入れに支障をきたすなど医療が逼迫していることから、マレーシア政府は6月1日より14日まで完全ロックダウンの期間を設け新規感染者を抑え込む対策を決定しました。その後更に2週間延長され、完全ロックダウンは6月28日まで継続されます。

知人や近所など私の身近でも感染者が出るようになり、かなり緊迫した状況が続いています。重症患者の治療に当たっている知人の医師によると、集中治療室のベッドも全て埋まっており、呼吸器も最後の一つを誰に着けるべきかを決定しなければならないほど、医療も逼迫しているとのこと。何としても感染者の増加を食い止めなければならない状況です。

②ワクチン接種については、どのように進められ、現在(執筆時点)、どのような状況ですか?

マレーシアではワクチン接種は任意であり、18歳以上の外国人を含むマレーシア居住者に対して無料で行われ、ファイザーやアストラゼネカなど現在6670万回分(人口109.65%相当)が確保されています。接種はほとんどが2回必要ですが、なかには1回で済むものもあります。

マレーシア国家ワクチンプログラムが2021年2月24日に開始され、来年の2月までに少なくとも2360万人の接種を終了する予定で、三段階に分けて実施されます。

第1段階は、2021年2月から実施され、政府・民間医療従事者や警察や食料品の販売などを行う日常生活に必要不可欠なサービスを行うフロントライナー。第2段階は、2021年4月から実施され、第1段階で接種を済ませていない残りの医療従事者や65歳以上の高齢者や心臓病などの基礎疾患を有する高リスク者など。第3段階は、2021年5月から2022年2月にかけて実施され、18歳以上の外国人を含むマレーシア居住者が対象となります。

数か月前までは、国の懸命なワクチン接種の呼びかけにもかかわらず、副反応への懸念などにより、特に地方で登録後のキャンセルが相次ぐなど、計画通りになかなか進んでいませんでした。ですが、感染状況がひどくなったこともあり、現在はかなり加速してワクチン接種も進んでいるようです。しかし、6月11日の時点では、1回以上の接種が終了した人は人口の9.2%、必要回数の接種が終わった人は人口のまだ4.1%で、予定よりもかなり遅れています。

③現在(執筆時点)、国や自治体からの規制や制限、援助がありますか?

マレーシア政府は経済への影響を考慮し、検討を重ねてきましたが、歯止めのきかない新規感染者の増加を何とか食い止めるために、現在、完全ロックダウンを実施しています。基本的に不要不急の外出は禁止で、生活に不可欠な業種を除いた全ての経済・社会活動が停止されていますが、国際貿易省が許可した製造業などのエッセンシャルサービスに関しては操業できることになっています。レストランはテイクアウトのみ可能で、時間制限があります。

店舗や会社に入る前には、My SejahteraというアプリでQRコードをスキャンまたは手書きによる登録が必要で、入場前には体温測定が行われ、37.5度以上だと入場できません。顧客は半径1メートルの物理的距離を保つこと、さらに人数制限やマスクの着用といった厳しい条件があり、違反者には罰金が科されます。学校も全て閉鎖され、授業は全てオンラインで行われています。

④変異株の広がり、もしくはワクチン接種普及の前後で、日常生活や街の様子など変わったことがあれば教えてください。

現在は完全ロックダウンの真っただ中にあり、ほとんどが在宅勤務です。ライフスタイルも日常の活動はオンラインが中心となり、外出や移動が制限されています。現在急激に感染が拡大し、感染の不安を感じながらも経済活動を止めるわけにはいかないという状況の中、人々のストレスは限界に近くなっています。

⑤近況について、ご自由にお書きください。

去年の感染が始まったころは、マレーシアは封じ込めが成功しているなどという話もありましたが、コロナウイルスが存在する以上、いつでもどこでも爆発的に感染が拡大する可能性はあり、どんな状況にあっても、徹底して予防していくほかないのではないかと思います。ロックダウンのおかげで、今は新規感染者数が減少傾向にはありますが、まだまだ時間がかかりそうです。

コロナをどう抑え込むかというより、どのように付き合っていくか、その中で最善の方法を生み出す力を私たちが持てるよう、進化していかなければならないと思っています。

ロックダウン中の道路

ロックダウン中の道路


橋本ひろみ:マレーシア、クアラルンプール在住。翻訳者、日本語教師


コロナ終息に向けて:各国レポート第三弾(24)オーストラリア

australia

オーストラリア(人口約2499万人)

徐廷美

①新型コロナウイルス感染状況について、いまはどうなっていますか?

第2弾の報告から感染状況に大きく変化はなく、新規の市中感染者はほぼゼロという状態が続いていた。新規感染者のほとんどは海外からの入国者で、隔離先のホテルの従業員が感染するケースが数件あった。しかし、5月下旬からビクトリア州メルボルンで市中感染者が出始め、州政府がロックダウンを決定している。

ただ、それでも1日の新規感染者数は15人前後にすぎない。そのため、医療現場が大きな影響を受けることはなく、一般の受診者はコロナ以前とほぼ同じように医療が受けられている。病院のスタッフも、元々マスクの習慣はないため、マスクなしで業務を行っている。

②ワクチン接種については、どのように進められ、現在(執筆時点)、どのような状況ですか?

2月下旬からワクチン接種が開始された。まず医療関係者のなかでも、コロナ患者に接触する確率の高い救急医療従事者に優先接種され、4月ごろからその他の医療職、そして現在では医療関係者の家族にまで接種対象が広がっている。

一方で、老人施設や障がい者施設でのワクチン接種も並行して行われてきた。ワクチンにはファイザー社とアストラゼネカ社製が使用されている。副反応として血栓症が見られるとの情報を受けて、アストラゼネカ社製のワクチンへの懸念が高まっているが、政府は50歳以上には血栓症のリスクが少ないとして、50歳以上の対象者にはアストラゼネカ製を勧めている。

現在、ワクチン接種が完了した人は54万人で、人口の2.2パーセント。市中感染がほとんど見られないためか、積極的にワクチンを接種しようという感覚があまりないように見受けられる。

筆者も看護師であり、すでに2回の接種を完了した。ワクチンの接種は、地域の大型公立病院にハブセンターが設置され、本人確認、問診、接種、接種後の副反応の経過観察という流れが、多くのスタッフによって管理されていた。

③現在(執筆時点)、国や自治体からの規制や制限、援助がありますか?

現在でも、オーストラリア人と永住権者の海外渡航は原則禁止されている。個人的事情がある場合は申請して、許可を受ける必要がある。

また、永住権者を除く外国人の入国は厳しく制限され、ほぼ国境を封鎖している状況だ。元々オーストラリアは観光国であり、外国人留学生も多かったため、外貨収入が激減したダメージは大きいだろう。国内の移動制限はなかったが、今回のメルボルンのロックダウンにより、一部地域の移動が制限された。

小中高校は通常通り対面授業で行われているが、大学ではオンライン授業が主流となっている。市中でのマスク着用義務はないが、メルボルンのクラスターの発生に伴い、一時的に公共交通機関でのマスク着用が義務化された。

飲食店と娯楽施設は通常通りの営業を続けている。5月からシドニーを中心としたニューサウスウェールズ州では、18歳以上の住人を対象に飲食クーポンと娯楽クーポンがそれぞれ50ドル分ずつ配布され、経済の活性化を図ろうとする姿勢が見られた。

④変異株の広がり、もしくはワクチン接種普及の前後で、日常生活や街の様子など変わったことがあれば教えてください。

ほとんどの新規感染者が海外からの帰国者であったため、イギリス型変異株の流入は早くからあったと思われる。今回のメルボルンの市中感染では、デルタ株(インド型変異株)の発生というニュースもあり、より感染力が高いとの報告もあるため、危機感が広がっている。6月中旬に入って、シドニーでもインド変異株の小規模クラスターが発生し、危機感が多少高まっている様子が見られる。

⑤近況について、ご自由にお書きください。

市民生活はほとんどコロナの影響を受けておらず、買い物や外食など日々の生活には全く支障がない。しかし、いまも在宅勤務をしている人は多く、大学生もオンライン授業が中心なので、バスや電車の混雑はあまりない。また、海外渡航の禁止によって海外旅行を楽しむことはできず、全体的にレジャーも差し控えている印象がある。

また先に述べたように、観光業、航空業、教育産業への打撃が続いているため、政府としてはワクチン接種を推し進め、国境開放へとつなげていきたい考えだ。筆者は一時滞在者であるため、原則オーストラリアから出ることへの制限はない。

しかし、そうした一時滞在者(労働ビザ、学生ビザ、ワーキングホリデービザ、観光ビザ保持者)がオーストラリアへ入国するのは、非常に難しく、ほぼ認められていない(一部、労働ビザ保持者には渡航許可がおり始めている)。オーストラリアへの行き来が、もう少し制限なくできるようになることを願っている。


徐廷美(そ・じょんみ):オーストラリア・シドニー生活6年目。日豪両国の看護師資格をもち、現在は大学院で看護学を専攻している。


コロナ終息に向けて:各国レポート第三弾(23)スロヴェニア

slovenia

スロヴェニア(人口約208万人)

木村高子

①新型コロナウイルス感染状況について、いまはどうなっていますか?

スロヴェニアでは2020年10月以降、再び感染者が急増して、第二波に突入しました。前回のレポート後の12月4日には新型コロナウイルスによる死者数は合計1,653名となり、いくつかの分析サイトによれば、人口10万人あたりの1日の平均死者数が世界で最も高い国、という不名誉な記録を樹立してしまいました。

2020年春の第一波の際には、隣国のイタリアやフランスなどと比べても、それほど深刻な影響は感じられなかったのですが、夏季バカンスから人々が帰ってきた秋から、事態は悪化していきました。しかしその後、年末からワクチン接種が順調に進み、現在では(6月上旬)1日あたりの新規感染者数も300人台まで減少し、落ち着きをとり戻しています。

②ワクチン接種については、どのように進められ、現在(執筆時点)、どのような状況ですか?

ワクチンは12月下旬に到着し、特に死亡率の高さが問題となっていた介護施設入居者、その職員、医療機関関係者などから接種が始まりました。続く数か月の間に高齢者は次々に接種を受け、また教育関係者も優先接種対象者とされたため、大学職員である夫も接種を受けました。

優先接種の対象者には、個別に連絡がきたようです。高齢者はもちろん、それより若い年齢層の接種も順調に進んでいるようです。5月に高校卒業試験がある若者も、4月から接種対象者となり、また5月6日には、誰でもワクチン接種を申請できるオンライン登録受付が開始されました。5月末の時点で、人口の約30パーセントが1回目の、16パーセントが2回目の接種を済ませています。

4月以降、ワクチン接種の進展とともに感染者数は減少し、政府は6月15日に、コロナ流行終息宣言を出しました。ただし、これで規制状況が劇的に変わるということはないようです。

③現在(執筆時点)、国や自治体からの規制や制限、援助がありますか?

感染状況が深刻だった時期には、食料品店やガソリンスタンドといった日々の生活に欠かせない店以外は、レストランも含めすべて閉鎖されていました。また学校もオンライン授業に切り替わりました。ただ、町が文字通りゴーストタウンと化した去年の春に比べると、ロックダウン疲れなのか、人出はそれほど劇的には減少しなかった印象があります。

この4月以降、店舗も徐々に再開され、屋外で飲食する場合は特に規制はありませんが(もちろんソーシャルディスタンスはとりますが)、室内の場合は、陰性証明書、罹患証明書やワクチン接種証明書の提示が求められているようです。4月下旬には国内の移動制限が解除され、すべての地方間の移動が認められるようになりました。

四国ほどの大きさの国土が200余りの自治体に分かれ、行き来ができなかったというのは日常生活に影響する大きな問題でしたので、地方間の移動制限解除にはみんなほっとしています。5月下旬には、すべての国境でコロナ感染予防のチェックがされていたのですが、それも撤廃されました。規制緩和後も、お店や公共施設など、室内でのマスク着用義務は続いています。

④変異株の広がり、もしくはワクチン接種普及の前後で、日常生活や街の様子など変わったことがあれば教えてください。

大学生の息子も入学以来、ろくに大学に行けないままオンライン授業に移行していましたが、ようやく4月から週3回ほど、大学で授業を受けているようです。

ドラッグストアなどの日用品を売る店舗は、規制が最も厳しかった時期にもずっと開いていましたが、その中の靴下コーナーだけは、ロープで立ち入りできないようになっていたのが、分類の厳しさを示しているようで驚きました。販売が許可される生活必需品に含まれるのは、食料品や医薬・衛生用品、燃料などだけのようです。

またつい最近制限が解除されるまで、友人たちとはオンラインでしか顔を合わせられませんでしたが、クリスマスやイースターなどには、人数を制限して親族が集まることが特別に許可されました。

⑤近況について、ご自由にお書きください。

私自身は、実は1月末に実家の都合で日本に一時帰国し、現在に至っています(ですから最近の状況は直接経験していません)。前述通り、スロヴェニアではワクチン接種も順調に進み新規感染者数も減って、状況は好転していると感じています。もちろん、夏のバカンスシーズンに再び人の往来が激しくなればどうなるか、予断を許しませんが。

数週間後にはスロヴェニアに戻ることを考えています。スロヴェニアでは、日本からの入国者はPCR検査不要とのことですが、経由国ドイツは、たとえトランジットだけでも陰性証明書が必要なので、国際的な移動が不便な状況はまだ当分続くようです。

スロヴェニアに戻ったら、直ちにワクチン接種の予約を取りたいと思っています。スロヴェニアの状況を見ても、ワクチン接種の広がりとともに感染者数は大幅に減少したので、このまま世界の状況が落ち着いていくことを願っています。


木村高子(きむら・たかこ):英語・フランス語・スロヴェニア語翻訳者。スロヴェニア・リュブリャナ在住。